産業ドローン開発などを手掛ける「空解」(町田市つくし野4)は7月17日、自社製ドローンによる長距離保冷輸送の実証実験を行う。
ラジコン飛行機の世界的なトップパイロットとトップエンジニアが4月に設立した同社。「ドローンで空を最適解する」という思いを社名に込めて、20年以上トライアンドエラーを重ねて飛行機を開発した経験を生かし、「高性能かつ安全で価格が適正なドローン」をリリースする。
実証実験で飛ばす機体は、自社開発の初号機となる電動VTOLドローン「QUKAI FUSION」。マルチコプター型ドローンのように滑走路なしでどこでも離着陸できる上に、マルチコプター型の課題であった飛行距離(現状4~8キロ程度)を大幅に改善した。
コースは、千葉県銚子市学校給食センターから利根川上空を飛行し、茨城県稲敷郡河内町の「ドローンフィールドKAWACHI」に着陸する。周回飛行を含めてトータル70キロのレベル3目視外飛行、フルオートによる飛行は、電動ドローン輸送距離の日本記録になるという。
同社スタッフは「物資輸送は長距離を安全確実にできなければ意味がない。そんな信念のもと70キロのドローン輸送に挑む。しかも滑走路がいらないVTOLドローンで、固定翼機ながら庭先ほどのスペースでも着陸できることを実証したい。加えてワクチンを想定した低温輸送も注目いただければ」と話す。