小田急電鉄は6月19日より、相模原市の津久井地域での廃棄物回収業務にウエイストマネジメントツール「WOOMS(ウームス)」を提供する。
ウームスは、自治体や廃棄物排出・収集事業者を主対象に、廃棄物収集業務を効率化し、そこから生まれたリソースをごみの削減やリサイクルの拡充へとつなげる取り組み。同社が鉄道・不動産に次ぐインフラ事業として、持続可能な循環型社会の形成に向けて全国展開を目指し、座間市などで採用されている。
座間市ではウームス導入後の一定期間(2021年4月~12月)に収集車の走行回数を前年比で約18%(1536回)削減したほか、これまで焼却していた剪定(せんてい)枝をリサイクルすることで焼却量を6%削減したという。
同社は相模原市と5月31日、持続可能な社会の実現を目指すための覚書を締結した。山間部でのウームスの導入は初めてで、国土の約7割を占める山間部や丘陵地での可能性を探求する端緒になるという。
実証実験では、人口が少なく住居が分散する山間部も含むエリアで、収集車に搭載するウームスのシステムが家庭ごみの収集データを取得し、家庭ごみの量や収集車の走行の傾向から最適なルートを提案。これによって収集車の走行距離を短縮して二酸化炭素排出量の削減に貢献する。さらに人目につきにくい山林での不法投棄の状況をデジタル化することで、監視強化や業務効率化につなげる。
対象地域は、旧城山町、旧津久井町、旧相模湖町、旧藤野町。実証実験は2024年3月31日まで。