日本フットサルリーグ(Fリーグ)第13節――ペスカドーラ町田は「東京ダービー」で府中アスレテッィクFCを3対2で破り、9勝1敗3分として、2年連続王者の名古屋オーシャンズを抜き初めて首位に立った。
ペスカドーラは1999年、「CASCAVEL TOKYO(カスカヴェウ・トウキョウ)」として発足。2001年には全日本選手権で優勝した。2007年にペスカドーラ町田と改称し、同年に発足したFリーグに参加。古豪として優勝を期待されてきたが、2007年=4位、2008年=5位と結果を出せなかった。
ここまでのチームについて、広報担当の城所祐也さんは「好成績を収めているのは、昨季までにはない安定感のある戦いをできているからだと思う。昨季は5連勝することもあれば、5連敗することもあった。試合の中でも、勢いに乗れば抜群の攻撃力を発揮するが、一つのミスから失点すると立て直すことができなかった」と話す。
今季は得点ランキング10位以内にリーグトップの3人(ジャッピーニャ選手、金山友紀選手、マルキーニョス選手)が入るなど攻撃陣が好調だ。「ペスカドーラ町田は、過去2シーズンも得点力の高いチームだった。今季、好成績を収めているのは、攻撃力が上がったからではなく、バランスのよい攻撃と守備ができているからだと考えている。これまではバランスの悪い攻撃から致命的なミスを犯して、失点の原因をつくっていた。今季はそうしたミスが圧倒的に減り、試合巧者になった。試合のツボ、勝負の際を見極めて戦うことで、勝利をたぐり寄せることができ、内容の悪い試合でも、負けない戦いで引き分けに持ち込むことができている」
チームが変化した理由については、「昨季終盤に就任したジュニオール監督が意識改革を行ない、選手1人1人に強い責任感を植え付けた」ことを挙げる。「ベンチにいる選手達も試合に集中し、短い出場時間の中でもチームの勝利のために各々が自分の役割を全力で全うする。今のチームの結束力はリーグナンバー1だと自負している」
「経験のある藤井健太とマルキーニョスという2人の選手が今季から加入したことも大きい。藤井は2季連続2位のバルドラール浦安の主力で、4年間日本代表のキャプテンを務めてきたゲームを読める選手。マルキーニョスは2季連続優勝の名古屋オーシャンズで得点を量産してきたブラジル人選手。彼らは、経験と勝者のメンタリティをピッチ内外でチームに伝えてくれた。それにより、実力を持ちながらも2年間くすぶっていた選手たちが力を発揮できるようになった」
次節は11月23日、デウソン神戸と戦う同チーム。「Fリーグ全27節の中間地点の14節。首位でこの中間地点を迎えられたことは非常に大きいが戦いはこれから。デウソン神戸は現在の順位こそ6位だが、2季連続3位の確かな実力を持つチーム。体の強い選手が多く、フィジカルの高さは、リーグ唯一の完全プロチームである名古屋オーシャンズと双へきを成す。ペスカドーラ町田が首位に立ったことで、高いモチベーションで試合に臨んでくるのでは」
リーグ後半戦に向けて、「デウソン神戸戦の次の15節は、アウェーで名古屋オーシャンズ戦が控えているが、今はその試合に目を向けることはない。首位に立ったとはいえ、我々はまだ何も成し遂げていない。挑戦者としての自覚を持って、リーグ後半戦もまい進していきたいと思っている」と意気込みをみせる。
Fリーグ第14節、デウソン神戸戦は町田市立総合体育館(町田市南成瀬5)で23日18時キックオフ。