FC 町田ゼルビアは9月7日、町田市内のホテルでJリーグ入会予備審査結果についての記者説明会を開催。現在改修工事中の町田市立陸上競技場(町田市野津田町)がJリーグ基準を満たすことができず、来年度のJリーグ昇格が困難になったことを明らかにした。
Jリーグは8月31日、「ホームスタジアムは、現在計画されている改修工事を経てもJリーグ基準を満たすことができないと判断される」という審査結果をゼルビアに通知した。「審査結果には基準に満たない点が具体的に示されていない。また、すべての基準をクリアしなくても昇格可能と判断していた」(ゼルビア)。
Jリーグが9月1日にガイナーレ鳥取に通知した同審査結果では、5つの改善点を挙げ、具体的な対応策を提示するなどの条件を満たすことで入会を認めるとしている。「われわれも条件付きで入会が認められると信じていた」(同)。
同競技場は昨年から今年7月まで設計を行い、8月から観客席設置などの工事に着手している。「当初の設計は2009年度基準。2010年度基準が示された後は、設計変更で新基準に合わせるように努力してきた」(同)。2009年度基準と2010年度基準の大きな違いは、更衣室などの設備の面積や収容人数が明示されている点。現スタジアムの躯体では、要件の面積を収めることができないという。
「今年、本加盟申請を出せるように最後まで努力は続ける一方、2012年度の昇格に向けて、基準を満たすスタジアムをつくるため、Jリーグや市と一緒に問題を明らかにするとともに、市民の後ろ盾を得られるように取り組んでいく」(同)。ゼルビアが2012年度にJリーグでプレーするためには、今年度内の市議会で予算承認を得ることが必要。
Jリーグ予備審査結果について、同クラブの守屋実代表は「心の整理がつかない、クラブとしても総括できていない状況。今年は不便なスタジアムに大勢の方にお越しいただいた。市民の財産にしようと頑張ってきた人たちの力の結集。自分たちの力ではどうにもならないところでJリーグに厳しい審査を突きつけられたことが残念で仕方がない。選手にはゲームの中でプライドを示そうと話した。Jクラブを圧倒するような、お客さんが本当に喜ぶようなゲームをしようと。選手たちは現実を受け止めるのは難しかったと思う。西が丘のゲーム(天皇杯2回戦)を見た人なら分かってもらえると思うが、プライドを持って戦った。勝った時には涙を流して手を取り合って喜んだ。残りの試合もすべてやりきって、『僕たちはここで頑張っている。Jリーグの百年構想を具現化している』ことを示す。スタジアムはみすぼらしいが、すべてがチームの存在としてアピールしていきたい。これから町田市やJリーグと話し合い、必ず大勢の方の期待に応えられるように、胸を張ってJに入っていけるようなチームにする。今までと同じように皆さんの力を貸していただきたい。名もないバックもないお金もないクラブはそういうプライドでやっていくしかないと思っている」と話す。