町田市は12月1日、屋根付きイベント広場や多世代交流施設などの整備提案を盛り込んだ現庁舎(町田市中町1)の跡地活用に関する検討報告書を公表した。
市は現在、来年7月の新庁舎(森野)への移転に伴い、現庁舎の跡地活用について検討を進めている。報告書は11月16日、東京工業大学の中井検裕教授を委員長とする町田市庁舎跡地等検討委員会が市長に提出したもの。検討対象地は、本庁舎跡地(敷地面積9,253.78平方メートル)、中町第三庁舎跡地(同2,059.29平方メートル)の2カ所。いずれも町田市の中心市街地の西側に位置し、小田急町田駅から徒歩5~6分の好立地。
報告書は「新たなにぎわいの創出」を基本的理念に、市民とともに跡地に整備される施設を育てていくという発想で「跡地の速やかな簡易利用」「社会経済環境の変化への対応」「活動内容や企画への市民関与」を重視。「従来ありがちだった固定的な施設整備方針を中核とする跡地利用報告とは一線を画したものであり、今後の施設整備のモデルともなるべき内容を含んだもの」(中井教授)。
具体的には、本庁舎跡地にパブリックビューイングや野外コンサートを開催できるステージや大型スクリーンなどを備えた「屋根つきのイベント広場」、ファミリーや若者、高齢者が集える「多世代交流施設」の2案を提案。中町第三庁舎跡地では、既存の分庁舎を有効活用するなどした「企業支援施設」や「サテライトキャンパス」の設置、庁舎跡地周辺の混雑を改善する「バスターミナル」を提案している。
庁舎移転後に周辺のにぎわいが途切れないように、本庁舎跡地では庁舎解体後、速やかにカフェ・レストラン・市場などの機能を持った簡易的な施設を整備。5~10年後に屋根付きイベント広場や多世代交流施設を整備する手順イメージを示す。
町田市は来年3月に庁舎跡地の基本構想を策定する予定。企画政策課の市川課長は「検討報告書を受けて基本構想では、施設内容やスケジュールなどを決めたい。施設を作っても有効利用されていないなどの例もある。特ににぎわいをつくるという目的からは単純に施設をつくる話にはならない。市民も交えて本当に必要な施設や規模をよく考えていきたい」と話す。