絶滅危険性が最も高い種に指定されたホシザクラが群生する町田の片所谷戸(かたそやと)で6月30日、ホタル鑑賞会が行われる。主催は、多摩エリアで一般向け公開講座などを開催する「東京にしがわ大学」(TEL 090-8105-8434)。
片所谷戸は多摩境駅から約500メートル離れた約3.6ヘクタールの斜面緑地。周辺は開発が進んでいるが、ここだけぽっかりと緑が残っている。中央を流れる川にはカワニナやゲンジボタル、ホトケジョジョウが生息。オオムラサキなど希少生物も確認されている。
鑑賞会は、地元で自然観察会や下草刈りをしている「小山のホタルと自然を守る会」の柿澤澄夫さんを講師に迎え、谷戸を歩きながらホタルを鑑賞するほか、自然に大きく手を加えずに里山を守る活動について学ぶ。
市街化区域にある同地は開発される可能性があることから、同団体は2008年、約1万人の署名を添えて、市議会に片所谷戸の保全を求める請願を行った。「これからも豊かな自然が残る谷戸を保全していきたい。観察会を通じてより多くの方に知っていただければ」と柿澤さん。
「今はなかなか目にすることのできなくなったホタルも、昔はもっと身近な存在だったはず。毎年ホタルを見るためにどんなことができるのか。懸命に自然を守っている人の存在を知ることをきっかけに、こんな場所を増やしていくためにはどうしたらいいかなどをみんなで一緒に考えたい」と同大担当者。
開催時間は17時~20時30分。定員は10人。参加無料だが、同大学ホームページから事前申し込みが必要。