キックボクシング・ジム「チームドラゴン」(町田市森野2)所属の山崎秀晃選手が3月20日、後楽園ホールで行われた立ち技格闘技イベント「Krush(クラッシュ)」63キロ級タイトルマッチでトーマス・アダマンドポウロス選手(仏)を判定で下し、王座を獲得した。
山崎選手(26)は京都市出身。関西の大会で数々のタイトルを獲得した後、チームドラゴンに入門するため2008年に来町。アマチュア時代から勝利を積み重ね、タイトルマッチへの挑戦権をつかんだ。プロの戦績は現在16勝2敗1分け。
トーマス選手は、同門の先輩である梶原龍児(同級初代王者)、尾崎圭司の両選手に勝利している経験豊かな2代目王者。「先輩2人の敵を討つこと、チームにチャンピオンベルトを取り戻すこと、挑戦権を得るためのリーグ戦で戦った戦友のことを考えると、絶対に負けられない。負けて得るものもあるというが、ここで負けたら自分の居場所がなくなる。決死の覚悟で試合に臨んだ」と山崎選手。
試合は1ラウンド、トーマス選手が左右パンチの連打で圧力をかけるが、山崎選手は間合いをとって応酬。2ラウンド中盤、トーマス選手のミドルキックの直後にバックハンドブローでダウンを奪う。トーマス選手優位の下馬評の中、山崎選手の攻勢に超満員の開場が大歓声に包まれる。最終ラウンドはトーマス選手に決定打を許さず、判定勝ちを収めた。
「チーム全員で勝ち取ったタイトル」と山崎選手。この試合に向けて、尾崎選手がトーマス選手からダウンを奪ったバックハンドブローの技術を磨いた。「梶原さん、尾崎さん、先生(チーム代表の前田憲作さん)から指導を受けた。同い年で仲の良い京太郎(第2代K-1ヘビー級王者)は試合直前まで、そばで支えてくれた。チームのみんなは、スパーリングにとことん付き合ってくれた」
「応援してくれた町田の人にも感謝している。本当に世界チャンピオンになるとは思っていなかったと思うが(笑)、他人がこんなに優しくしてくれるとは考えもしなかった。いい試合を続けて、チャンピオンベルトを守りたい。町田のスポーツを盛り上げるために貢献できれば」とも。
チームドラゴンは、元WKAムエタイ世界スーパーフェザー級王者の前田 憲作さんが小比類巻貴之さんらと結成。2002年、町田市にジムを開設し、数多くの有力選手を輩出している。