ヤギに雑草を食べさせて人間の代わりに除草させようという取り組みが9月24日、町田山崎団地(町田市山崎町)で始まった。独立行政法人都市再生機構(UR)による実証実験で国内の住宅団地では初めて。
草刈り機や自動車の燃料が不要で、刈り取った草を焼却する必要がなくなるため二酸化炭素の排出量を減らすことができるエコな除草方法。ヤギとの触れ合いを通じてのアニマルセラピー効果やコミュニティー活性化も期待する。
実証実験の場所は団地を抜ける都市計画道路の事業用地。人手で年1回除草しているが、今回のヤギ除草でコスト削減効果などを検証し、他の管理用地に広げることを狙う。
実験当初は、クズやススキが生い茂る約300平方メートルの区画に、横浜市内の会社から借りた「穏やかな性格」だというオス1頭とメス3頭の計4頭を放した。白い屋根のかわいらしい小屋も設置する。
敷地の上に架かる歩道橋からは、通りがかりの住民らが珍しそうにヤギを眺めていた。26日には近隣幼稚園の園児ら約20人が見学に訪れ、ヤギとの触れ合いを楽しんだ。
「今後も住民や近隣の福祉施設の高齢者などがヤギと触れ合う機会を設けていきたい」と団地管理者。実験は11月29日まで。
山崎団地は1968(昭和43)年に管理を開始した116棟3920戸の大規模住宅団地。65歳以上の人口割合は40%を超える。居住者が野菜を育てるクラインガルテン(貸農園)や自治会が管理する水田など環境に配慮した取り組みを行っている。