日本フットボールリーグ(JFL)第30節が10月26日、町田市立陸上競技場で行われ、ホームのFC町田ゼルビアはカマタマーレ讃岐に2対1で勝利した。観客数は2453人。
開始直前、台風27号などの影響で断続的に振り続けた強い雨が上がり、厚い雲の隙間から明るい空がのぞく。ゼルビアにとって「J2挑戦権」に望みを残すための重要な試合。
楠瀬直木監督代行は前節、サイド攻撃が不発だった長野戦の4バックから、湘南ベルマーレとの練習試合で良かったという3バックに変更。厚みのある攻撃で讃岐を押し込むが決め手に欠き、スコアレスで前半を折り返す。
後半、ゼルビアは警告を受けていたテレ選手から鈴木孝司選手にフォワードを交代。開始早々、讃岐の高橋泰選手に約20メートルのフリーキック弾を決められて失点する。60分にトップ下のアンデルソン選手に代わって日高慶太選手が入った直後、鈴木選手がゴール中央付近でドリブルで相手を交わして左足でシュート。これがゴール左隅に決まり同点。
その後は讃岐ペース。ゼルビアは前線にパスをつなぐことができず、楠瀬監督代行が判定に抗議し退席処分となってしまう。劣勢のなか、ゼルビアはゴールライン際をドリブルで突破しようとした鈴木選手がPKを獲得。これを決めて逆転に成功する。その後は両チームともチャンスをつくるも決めきれず試合終了。ゼルビアは次の試合に希望をつないだ。
試合後、2ゴールを決める活躍の鈴木選手は「途中出場の悔しさをエネルギーに変え、ゴールを決めてやろうと強い気持ちでプレーした」と話す。今日が誕生日だというキャプテンの太田康介選手は「厳しい試合だったが、台風に負けずに皆さんが来てくれて勝つことができた。リズムを崩さずに戦ったことが逆転につながった。勝つしかないので一緒に戦ってほしい」とサポーターらに呼び掛けた。
楠瀬監督代行の退席後、指揮を取った中三川哲治コーチは「負けられない状態のなかで選手は良いパフォーマンスをしてくれた」と振り返った。
第30節は、ホームのSC相模原がHonda FCに0対4で敗れたため、ゼルビアが3位に順位を上げた。次のホームゲームは11月10日、ツエーゲン金沢と対戦する。