玉川大学教育博物館(町田市玉川学園6)は4月14日より、企画展「世界遺産 巡礼の道をゆく」と題して写真家・南川三治郎さんの作品を展示する。
同展は、長年ヨーロッパを拠点に活動を続けてきた南川さんが、紀伊山地の「熊野古道」とスペイン・フランスの巡礼の道「カミーノ・デ・サンティアゴ」を長期にわたって取材し、撮影した作品をもとに構成するもの。
紀伊山地には、古くから吉野・大峯、熊野三山、高野山の三つの山岳霊場とそこに至る参詣道があり、宗教や文化の発展と交流に大きな影響を及ぼした。熊野古道は紀伊半島南部の熊野三山への参詣路で、2004年にはその価値が評価され、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された。
カミーノ・デ・サンティアゴは、スペイン北西部の都市サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の道。この地はサンティアゴ(聖ヤコブ)が埋葬された所で、エルサレム、ローマに次ぐ巡礼地として知られ、フランスからの巡礼路を含めて世界遺産に登録されている。
1945年三重県生まれの南川さんは、東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業後、パリを拠点に活動し、フォト・グラフィックライターとして活躍。1980年に日本写真協会新人賞、1986年に日本写真協会賞などを受賞している。代表作に「イコンの道」「ヴェルサイユ宮殿」などがある。2007年に玉川大学出版部から「世界遺産巡礼の道をゆく 熊野古道」と「世界遺産巡礼の道をゆく カミーノ・デ・サンティアゴ」を出版している。
開館時間は9時~17時。作品展示期間は、熊野古道=4月14日~5月28日、カミーノ・デ・サンティアゴ=6月2日~7月13日。土曜・日曜・祝日・4月30日~5月2日休館(4月19・20・29日、6月7日、7月12・13日は開館)。4月19日と6月7日に南川さんの講演会も行う。