多摩都市モノレールの町田方面への早期延伸を目指すシンポジウムが1月31日、町田市内で行われた。
交通政策審議会が昨年4月に出した答申で、同路線が「意義のあるプロジェクト」に位置付けられたことを受けての企画。石阪丈一市長、小倉まさのぶ衆議院議員、吉原修都議会議員らが出席した。
基調講演に登壇した芝浦工業大学の山下良久客員准教授は、「町田市の活力が低下する」という将来予測を説明。「バス・鉄道とモノレールの乗り換え利便性を確保するための施設配置の調整」「駅周辺の魅力向上、従業員や来訪者を呼び込む努力」など交通政策審議会の評価を解説し、「駅まち会議を立ち上げて、街を良くするための取り組みが必要」と提言した。
シンポジウムでは、パネリストの小林昭治・日野商工会理事が「日野市の駅で唯一、高幡不動には空き店舗がない」と多摩モノレールの波及効果を紹介。「地元の中小事業者が再開発後のテナントに入れるように市が頑張れば、実現に向けて力が入るのでは」とアドバイスした。
「地元の人がモノレールを使って出かけようという『マイレール』の意識を育てていくことが重要」(山下准教授)などの発言を受け、石阪市長は「多摩モノレールは市民の足。一刻も早く整備しようという意気込みでやっていきたい」と宣言した。
多摩モノレール延伸のルートは多摩センターから小山田桜台団地や町田山崎団地を通りJR町田駅を結ぶ約13キロ。うち、導入空間が既に確保されているのは約7キロ。道路計画がない区間と道路整備未着手の区間、拡幅が必要な区間があわせて約6キロある。
市の説明資料によると、小山田桜台団地付近から町田駅までの所要時間が17分(バス=約35分、モノレール=約18分)、同団地から立川駅までは19分(バス・電車=約53分、モノレール=約34分)、それぞれ短縮する。