
温浴施設「しずの湯 相模原」(座間市相模が丘3)が2月24日にオープンした。経営は、温浴施設の運営とコンサルティングを手がける「yue」(渋谷区)。
昨年5月で57年の歴史に幕を下ろした座間市唯一の銭湯「亀の湯」をリノベーションした直営のオリジナルブランド1号店。岩手県宮古市の景勝地「浄土ヶ浜」をコンセプトに据え、その風景をタイルで浴室に抽象表現する。店舗面積は約250平方メートル。
出店理由について、大澤秀征社長は「郊外の銭湯は急速になくなりつつあるが、地域に根づく銭湯の良さを残していきたい。銭湯の撤去には多額の費用を要するので、既存施設を再活用した収益化を提案していく。相模原店はモデルケースになる」と説明する。
老朽化が著しい銭湯の内部を5カ月かけて全面的に造り替えた。脱衣所は、国産材を使ってオートロウリュを備えるサウナ室に変更。富士山のペンキ絵は修復困難で塗り替えたが、一部を浴場外のスペースに残す。
男女を分ける浴場の壁を撤去した大空間の浴室は、亀の湯で使われていた床のシェルタイルやカランなどを生かしつつ、新たにスペイン製のタイルなどをあしらい、「レトロモダン」な雰囲気を演出。
高天井から差し込む光を眺めながら休憩できるよう、浴室中央にリクライニングチェアを設置する。湯は亀の湯と同様、座間市特産品にもなっているミネラル分が豊富な地下水をくみ上げて沸かす。
大澤社長は「当社スタッフの平均年齢は24歳。若者の視点で、スーパー銭湯では感じられない昔ながらの銭湯の魅力を高めていきたい」と意気込みを見せる。
営業時間は13時~23時(土曜・日曜・祝日は9時~)。男性専用施設で、毎月レディースデーを設ける予定。入浴料金は1,480円(タオルレンタル料を含む)。無料駐車場5台(4月より10台)と駐輪場を用意。