町田市民ホール(町田市森野2)で7月14日、町田が舞台の映画「ぼくはうみがみたくなりました」の先行試写会が行われ、主演の伊藤佑貴さん、石井めぐみさんらが舞台あいさつを行った。
映画は自閉症の青年と人生少し行き詰まり気味の看護学生が偶然から海に向かう旅に出てしまい、そこでさまざまな人々と巡り合うヒューマンドラマ。
原作は自閉症の息子・大輝(ヒロキ)君をもつ町田在住の脚本家・山下久仁明さんが「息子のためにも、多くの人に自閉症のことを知ってほしい」という思いから2002年に書き下ろした小説。映画化を企画し、ウェブサイトの制作に取りかかり始めた2006年3月末、山下さんは中学を卒業したばかりの大輝君を事故で失う。
約2年後、全国の賛同者1,000人以上からの寄付金をもとにクランクイン。三浦半島と町田市で行ったロケには、約40人の現場スタッフと延べ80人のエキストラがかかわった。主演は伊藤佑貴さんと大塚ちひろさん。500人以上のなかから審査員の満場一致で選ばれた伊藤さんは、福祉施設で自閉症の人と実際にかかわり、「自閉症の青年」をリアルに演じた。大塚さんは映画初出演。
舞台あいさつには、福田是久監督、小林祐吉さん、石井めぐみさん、伊藤さん、山下さんが登場。伊藤さんは撮影待機中も役になりきっていたというエピソードなどを披露した。
町田近くに住んでいるという福田監督「この日を迎えることができて、とてもうれしい。ロケでは、自分がよく知っている『町田感』を出そうとした。熱い思いで大事に大事に映画をつくった。見ていただいて温かい気持ちになっていただければ」と話す。
山下さんは「町田でずっと活動してきて、ここで撮りたいと思った映画。いろいろな方に協力していただき、ついに完成させることができた。来月の公開を皮切りに多くの人に見てほしい」と期待する。
同作品は8月22日より、東京都写真美術館(目黒区)でロードショー公開される。