鶴見川沿いの田んぼで9月12日に稲刈りが行われ、小学生や保護者など約100人が参加した。主催は「大蔵の田んぼを育む会」。
同会は8年前、市立大蔵小学校の社会科の授業として菅原聡教諭が始めた「不耕起(ふこうき)栽培」をきっかけに、卒業生の保護者が中心となって結成した。
不耕起栽培は土を耕さず、冬の間に水を張ることで、雑草の発生を抑えて農薬を使用しない農法。硬い土に植えられた稲は野生化し、稲本来の強さが引き出される。農薬を使用しない田んぼは、ドジョウやザリガニ、イナゴやカルガモなど多様な生物が存在するビオトープとなる。
雨模様の当日、小学生はかまの安全な使い方を学んだ後、東京農業大学学生のサポートを受けながら、0.5反の稲を一生懸命刈り取った。「今年は5~6月にかけて気温が低かったため、昨年と比べると茎の数が少ないが、そのぶん穂のつぶが大きい」(菅原教諭)。
今回は8年前に不耕起栽培の授業を受けたという生徒が、日本大学で生物学を学ぶ大学生となって稲刈りに参加。菅原教諭は「予想もしなかった収穫。活動を頑張って続けたことが戻ってきた」と顔をほころばせる。同会では今月18日、脱穀ともみすり作業を行う予定。