鈴木工務店(町田市能ヶ谷町)の敷地内に立つ古民家ギャラリー「可喜庵」で10月11日、かやぶき屋根のふき替え体験会が行われた。
同施設は約150年前に建てられた木造建築。旧白洲邸「武相荘」のふき替えを手がけた山城萱葦屋根工事(京都府)の山田雅史さんらを招き、先月から約40年ぶりのふき替え工事が行われている。
当日、参加者11人は山田さんの指導の下、カヤを屋根に固定する作業などを行った。参加者の一人で、弥生・縄文時代の遺跡整備の仕事をしているという嶋田喜朗さんは「めったに体験することができない作業にかかわることができて良かった。本業にも生かせれば」と話す。
山田さんは「かやぶき屋根は瓦屋根と異なり、つくるのに手間はかけるが金はかけないもの。農村部では材料のカヤの入手が容易で、農閑期に共同作業でふき替えを行ってきた。体験会では、一般の人でもかやぶき屋根がつくれることを知ってほしい。体験会がきっかけとなって、里山にかやぶき屋根の家が増えれば」と期待する。
鈴木工務店の鈴木亨社長は「かやぶき屋根の材料となる竹やカヤは1本1本の寸法が違うから、すべて手作業でつくるしかない。部分を見るとばらつきがあるが、全体で見るとまとまりが美しい」と話す。屋根の完成は11月上旬の予定。