日本フットボールリーグ(JFL)前期第9節が5月3日、町田市立陸上競技場(町田市野津田)で行われ、FC町田ゼルビアはFC琉球に5対1(前半2対1)で勝利した。観客数は3,011人。
ホーム初戦を勝利で飾れなかったゼルビア。3日前に行われた前節はアウェーでMIOびわこ草津を6対1と圧倒。「琉球よりも休みが1日少なかったが、選手たちは頭が切れていた」(ポポヴィッチ監督)、勢いをホーム野津田に持ち込む。対する琉球は開幕2連勝。昨年はゼルビアが2敗しているが、ポポヴィッチ監督は「我々は昨シーズンとは違うチーム」と一蹴。
試合はゼルビアが横パスを多用し、琉球に揺さぶりをかけてショートカウンターを狙う展開。4分、FW勝又慶典がディミッチとのパス交換で中央を突破、右足でシュートを決めて先制。しかし、琉球は22分に直接フリーキックからゴール前に飛び込んだDF大澤雄樹がヘディングシュートを決めて同点。26分、ゼルビアは追加点で琉球を突き放す。DF藤田泰成の左サイドからのクロスを相手ゴールキーパーがファンブル。こぼれ球を拾ったMF鈴木崇文のパスを勝又が流し込み、2対1で前半を終了する。
後半、琉球の新里裕之監督は元日本代表のFW我那覇和樹を投入。我那覇を起点としたプレーで攻勢をかけ、互角の展開に。しかしサイドチェンジで両サイドのスペースをつくゼルビアが徐々にペースを取り戻すと54分、ディミッチがゴールキックを頭で流したところを鈴木が強烈なミドルシュートをたたき込み、3点目。76分にはショートコーナーから勝又の折り返しをディミッチが左足で決める。さらに82分、途中交代のFW北井佑季が頭でキーパーと競り合ったボールがゴールイン。5対1でゼルビアが琉球に圧勝した。
試合後、琉球の新里監督は「やろうとするプランがうまくはまらずに先手を取られた。ゼルビアは去年よりもコンビネーションサッカーを見せていた」と話す。
ポポヴィッチ監督は「攻撃的にボールを動かす試合ができた。前半はセカンドボールからあぶない場面があったが、後半はうまく修正できた。深津、木島という去年のスター選手を2人欠きながら、去年の控え選手が活躍している。チームのためにプレーすることによって個人が生きている。今日も交代選手がチームのクオリティーを引き上げるプレーをした。1人の選手ではなくどの選手でも得点できるチームになった」と振り返る。
攻撃的なプレースタイルについては、「守っているだけのチームには未来がない。世界的に見ても攻撃的なチームはバルセロナやアーセナルなど数少ない。こういうチームをつくるのは時間がかかるからだ。私は攻撃的DFだったが、常にボールを奪ってからどう攻撃につなげるか考えていた。それを選手に伝え、選手は理解する頭を持っている。引いて守る相手に対してはプレッシャーを怖がらず、後ろでボールを回し、相手を引き出してスペースをつくような攻撃を組み立てる。攻撃と守備の選手を分けていない。ゼルビアの選手は他のチームとは明らかに違ったプレーをしている。JFLのチームでもすばらしいサッカーができることを示す」と説明する。
次のホームゲームは5月15日、町田市立陸上競技場でブラウブリッツ秋田と対戦する。