町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。
こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。...なんか、話のマクラにずっとユーミンのことを書いてきましたが、21世紀になってからは新曲を聴くより、昔の曲をたまに聴いてノスタルジックな気分に浸ることが多くなったかなぁ。決して懐メロには聞こえないけど。...遠くない将来、NHK朝の連続ドラマで主人公・由実ちゃん、音楽仲間の山下君や細野君みたいな登場人物での作品が見てみたいものです。
さて、写真の場所...パークアヴェニューのサンドラッグの脇にある、いまはパチンコ屋さんへの裏口のような小径ですが、私の記憶ではここを登っていくと、壹番街の回転寿司大黒さんの前に出られたはずなんですよね。いや、いまもパチンコ屋さんの中を突っ切れば出られるんでしょうが、以前は通路になってて、左側にはたしかシェーキーズがあって...いつから塞がっちゃったんだろう。中央通りがなかった頃は、便利なショートカットの抜け道だったんですけれども。ちなみに大黒さんのところには町田珈琲館があって、大学生の私はそこの洗い場でバイトして2本目のエレキギターを買ったのでした(1本目は高校姓の頃に町田郵便局で年賀状配りのバイトして買った)。
壹番街の、いまは手芸用品のオカダヤのところですが、たしか、ディスカウントショップの藤の屋だったはず。カセットテープが安かったんでよく買いました。でっ、この店はけっこう怪しいもの(バッタもんやパチもん)も売ってたんだよなぁ。なんか、宝探ししてるみたいで楽しいお店でした。あっ、まだビデオが普及する前、ここで音入りの裏カセットを買った記憶あり。アハ~ンッ?みたいな声が30分くらい続くだけ、というシロモノでして、なに期待してたんだか。...しかし。町田でディスカウントショップといえば、パークアヴェニュー側のサンドラッグのところにあったキムラヤが、便利で品揃えも豊富だったんですよね。昨年くらいまでうちの物置に入っていたサムソナイトのでかいスーツケースは、ここで1986年に買ったもの。前年にリリースされたプリンスの「Around The World In A Day」のLPに付いてたステッカーを貼って愛用していましたが、さすがにキャスターのあたりが劣化して廃棄...まあ、30年も使えたんだから、充分か。他にもいろいろ、当時の私の部屋には藤の屋やキムラヤで買ったものがたくさんあったはずなんだけれども、みんなどこいっちゃったんだろう?
それで、そんな私が発行人の文芸創作誌「ウィッチンケア」第9号が、4月1日発行です。町田では久美堂本店さんが取り扱ってくれそうなので、ぜひ手にとってみてください。私は「銀の鍵、エンジンの音」という小説を書いています。話の舞台は用賀~横浜町田インターチェンジ~御殿場あたり。東名高速道路を利用する人には、あそこか! と思ってもらえるかもしれません。どうぞよろしくお願い致します。