町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。
こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。ええと、話のマクラがビートルズのままこの連載も50回目を迎えた2022年の春。まさかの侵略戦争が始まったりして、ほんと、令和は地に足が付かないまま進行中。ジョン・レノンの「イマジン」って、私はNHKの「70年代われらの世界」というドキュメンタリー番組で初めて聞いた記憶があるんですよね(同番組はのちに「NHK特集」~「NHKスペシャル」)。どんなテーマの回だったのかさっぱり覚えていませんが(おそらくはベトナム戦争がらみ)、当時10歳ぐらいだった私は、ものすごくいい歌だと思った。あれから50年...いい歌が戦争を止められるわけではないけれど、でもグローバル化&共生社会&SDGsないまどきに「なにやってんだよ、ったく」という気分を喚起することはできるわけで、とにかく戦争反対。反対です!
写真は拙宅のすぐ近くでして、今年もきちんと咲いた桜の木。先日の相模原町田経済新聞に〈恩田川のサクラ満開 伐採で「圧倒的なサクラ感」に変化も〉という記事が出ていましたが、この桜、昨年あたりかなりバッサリやられていましたので、なんとなく元気がないようにも見えるんですよね。...しかし、それにしても恩田川。よくぞまあ綺麗で穏やかな川に生まれ変わりました。私が小学生のころは当然遊歩道もなく、大雨が降るとすぐに溢れそうになって、洗剤の泡や瓦礫が欄干にまとわりついて悪臭を放っていました。友人がドボンとはまってうちの風呂に入りました。それで、整備工事が始まったのは高校生のころで、私の部屋は工事現場に面していたんで、揺れるわ五月蠅いわ囂しいわ...そのせいで一浪したわけではありませんが、ほんと、つらかった思い出あり。しかし、今年の桜も、もうあとちょっとか。
というわけで今回が最終回の本連載。3月27日には宮本隆介編集長のご厚意で〈町田の「ちょっと懐かしい!」を語れ ~ここにはたしか! 50回(最終回)記念イベント at NOISE~〉を開催していただき、とてもよい思い出となりました。休日、買い物のお供にしている「エフエムさがみ」の月光団団長・蝉丸さんとも話ができて楽しかったな。イベント中にはオンエアでも書き言葉でもNGなワードまで飛び出して...ご来場くださったみなさま、感謝です。
さて、最終回の最後にどこの「ここにはたしか!」を書こうか。なかなか決められなかったのですが、ふと思い立って古淵駅近くのこもれびの橋にクルマで向かい、国道16号線の写真を撮ってきました。なんだよ町田じゃねぇじゃん、なんですが、この近く(だと思う)にディスカウントショップのダイクマができたのは、たしか大学生のころ(1980年前半)だったなという記憶が。友人のカメダ君とスキー用具など買いにいったと思います。でっ、古淵駅ができたのは、調べてみると1988年3月とのこと。私は1980年代半ばから2013年まで町田を離れていましたので、個人的な「脳内町田近辺」にはない風景が写っています。
新しい町だなあ。これから数十年すると、ここや橋本のほうが町田駅周辺より栄えていくのかな、かつて新宿が「新しい」「宿」だったように...なんて思っちゃうわけですよ。現在のカリヨン広場が駅前ロータリーだった「新原町田」駅の記憶がある私としては。いやいや、それでもまだ、くたばるまでにはしばらく時間があるわけだし、頑張ってドンキやニトリで楽しく買い物できる高齢者になろうか...なれるのかな、オレ? あっ、そうでした! 私がつくっている文芸創作誌「ウィッチンケア」の第12号ができあがりましたので、お近くの書店で見かけましたら、ぜひ手に取ってみてください。
それではみなさま、長らく読んでくださりありがとうございました。またいつか、なにかの機会がありましたら。