特集

トーコーキッチン物語
#045「みんなのハートと胃袋をわしづかみ?」

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文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。

#045「みんなのハートと胃袋をわしづかみ♥」

淵野辺で創業46年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。

ある日、こんなつぶやきを見つけました。

トーコーキッチンにハートをわしづかみされている様子がひしひしと伝わってきます。

彼女はいったいどうしたというのでしょうか?

まちの小さな不動産屋である当社、東郊住宅社が淵野辺エリアで管理する1,800室の賃貸物件にお住まいのみなさんに、利便性と健康的な食生活を毎日提供すべく誕生した入居者向け食堂トーコーキッチン。朝の定食は100円、昼・夜の定食は500円で提供しています。

2015年12月27日に運営を開始して以降、ありがたいことに毎週のように日本全国津々浦々からの見学や視察、メディアによる取材、各地での講演など、みなさんの前でトーコーキッチンの紹介をさせていただく機会を与えていただいています。

そこで、先ほどのつぶやきです。

2018年11月16日。「100人カイギ」というイベントで登壇し、トーコーキッチンの話をさせていただいた日のことです。おそらくトーコーキッチンのことも淵野辺のことも、このとき初めて知ったと思われる彼女。その淵野辺というところにあるという入居者向けの食堂の存在を知り、思わず引っ越してみたくなってしまった自身の衝動を解放したい願望がついに極限まで達し、そして、世の中に向けてつぶやいたのです。

それを見つけたボクは、すぐさま彼女にこう返信しました。

「これからもハートと胃袋をガッチリわしづかめるよう精進します!」

トーコーキッチンの話をさせていただくとき、「どうしてこのサービスを始めるに至ったのか」「どのように運営しているのか」「どのような場であって欲しいと思っているのか」といったようなことをお伝えしています。例えば、こんなような内容です。

・どうして朝食が100円なのか

・どうして朝食の提供時間が午前11時までなのか

・どうして相模原産米を採用しているのか

・どうして汁物が味噌汁ではなく豚汁なのか

・どうして年中無休で営業するのか

・どうしてイベントや貸し切りを受け付けないのか

・どうして食堂スタッフに入居者も採用しているのか

すると「入居者向けの激安食堂」というところの認識から、興味をより深めてくださったり、いっそう面白がってくださったり、なかには涙を流してくださる方もいらっしゃったりと、みなさん、当社、東郊住宅社の不動産屋としての姿勢に強く共感してくださるのです。

ところで、トーコーキッチンは不動産屋が独自で行う入居者サービスとして、そんなにも風変りなものなのでしょうか? やっぱり世にも珍しいサービスなのでしょうか?

答えは「ノー」です。

実は、そこにわたしたちがトーコーキッチンに託す想いがあるのです。

でも、それはまた別のお話。

【プロフィール】
池田峰(いけだ・みね)
有限会社東郊住宅社の二代目。管理物件1,600室の賃貸住宅入居者に向けた食堂「トーコーキッチン」を企画し、2015年12月より運営。毎日、朝食100円&昼・夕食500円で絶賛提供中。2016年度グッドデザイン・ベスト100およびグッドデザイン特別賞[地域づくり]受賞。幼い頃のぬり絵は間取り図。 東郊住宅社HP
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