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インタビュー2017-02-26

【対談】地域に根ざしたフットボールクラブと弁護士のタッグで町田のスポーツ文化を盛り上げる

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日本で初めてチアリーディングショーを公式戦に導入するなど、フットサルを盛り上げるために挑戦を続けるペスカドーラ町田。さらなる飛躍にむけて、今シーズン終盤から弁護士と顧問契約を結んだ。その狙いやホーム町田への思いについて、クラブを運営するCASCAVEL FUTSAL CLUBE事業部長の関野淳太さんと守屋綜合法律事務所代表弁護士の守屋栄橘さんが語り合った。

ホームで負けない理由とは?

守屋:まずはプレーオフ進出、おめでとうございます。

関野:ありがとうございます。実は、シーズン開幕からイゴールや森岡薫など、核となる選手をケガで欠いたのが大誤算で苦しいスタートでした。二人がいない状態で、どこまで戦えるのかは未知数で、第1クールは仕方がないと割り切るしかありませんでした。

守屋:それでもホームで勝てていたのは大きかったと思います。

関野:おっしゃる通り、そんな状況下でもホームでは高い勝率(今季ホーム戦績10勝2敗1分)を維持してくれました。我々フロントとしては、町田で営業や周知活動をしているので、町田のお客さんに見に来ていただいて、「ペスカドーラは強いな」と認知していただけるのは大きなことです。

守屋:ホームアドバンテージなどはあるのですか。

関野:ホームアリーナで練習ができると、たとえばサッカーで言うと、芝の感触だったり、プレーしている最中の周りの風景でどの辺にいるかが分かったりなどのテクニカル的なアドバンテージがあります。ただ、ペスカドーラの場合は、町田市立総合体育館で常に練習できている訳ではないので、正直、テクニカル的なアドバンテージは殆んどなくて、メンタル的なアドバンテージだけだと思います。町田の人たちに「おもしろいフットサルを見せたい」「勝った姿を見せたい」という思いですね。

ホームで選手がピッチに入ったとき、お客さんがウワッと入っていてくれると、圧倒的にモチベーションの入り方が違う、町田にはメンタル的なアドバンテージ、「ホーム感」がすごくあります。

守屋:そのホーム感というと、私も成瀬の体育館に行ってビックリしたのですが、応援が一体となっているというか、プレー中も含めてペスカドーラを応援しようという流れを作っているように感じます。他のチームも同じように盛り上がっているのですか。

関野:幾つかのチームで盛り上がりを感じることもありますが、ペスカドーラはホーム感が特に強いと思います。去年の町田セントラルでは、どのチームの代表者からも「町田は応援が凄い、ホーム感が他と違う」と言って頂きました。地元の人たちが黄色いユニホームや黄色いものを身に着けて見に来てくれるという文化が少しずつ根付き始めていると感じています。

挑戦とリスクマネジメント

守屋:競技場全体がお祭りのようで、とくにチアガールがいいと思います(笑)
ちょうど1分間でどのように表現するかが練られています。ラグビーや野球などと比べても、あそこまで自分たちのショータイムとしてカチッとやっていて、かつ小さい子どもたちも出ていて、文化をつくっていこうという姿勢が感じられます。目的を持ってやっているとは凄いです。

関野:実は、Fリーグでチアガールの演出を取り入れたのは町田が最初です。さらに本場ブラジルのフットサルの試合でもチアが出てくることはまずないです。
視察でBJリーグなどを見ていて、チアリーディングチームが出てくるという演出はアリーナスポーツ特有だと感じていました。ハコの中でチアが全体を巻き込んで応援するのは絶対にやるべきだとFリーグ開幕前から思っていました。

うちのチームはFリーグで最初になにかを取り組みたいというのがあって、今回、地元の弁護士の先生と顧問契約をして広く公表したのは、湘南のようにJクラブのあるチームを除くと、Fリーグの中で町田が初めてだと思います。

守屋:例えば、プレー中に相手をケガさせてしまったり、ボールが観客に当たったりして、裁判になったときに損害賠償が認められる判例が他のスポーツであります。
クラブが安全配慮の義務を果たしていたかが問われますが、安全配慮義務をやりすぎると「鉄格子のなかに観客を入れるのか」というような話にもなってしまいます。リスクを全くなくしてしまったら、スポーツの面白味がなくなってしまうので、あらかじめリスクを認識して、影響を小さくすることが大切です。

組織として、リーグとして、プレーヤーとしてどういったことに気をつけたらいいのかを同時に考えていくべきです。社会の中で活躍していくために、そのようなケア、考え方は持っていたほうがいいと思います。
選手に対してもコンプライアンスを含めて、地域の一員としてフットサルに特化しなくても広い意味で活動する中で、気をつけておいたほうが良いこと、今後問題になりそうなことをケアすることを知ってもらう必要があります。

関野:Fリーグは各チームに出向いて、関連の講習会をしていますが、それでも知識不足を感じることがあります。リスクマネジメントには、大きく「選手の管理面」と「クラブの興業面」の2つがあります。
「選手の管理面」では、選手の犯罪や男女関係などが昨今ニュースで見られます。選手としてどうあるべきか、どういう立ち振舞をしなければいけないのかなどの知識を持った上で、アスリートとして生きてもらいたいと考えています。

「クラブの興業面」のリスクとしては、ピッチと観客席の間にネットがないことが一例として挙げられます。100%のプレーの中でボールをクリアしたときに、子どもや女性に当たったりすると、フットサルのボールはサッカーと比べて重く、距離が近いのでダメージが大きいです。事故が起きたら、どうしたらいいだろうと心配に思います。

守屋:例えば、プロ野球では、防球シートがなくて近くで観戦できる座席(エキサイティングシート)などもありますが、ヘルメットやグラブなどを持たせ,プレー中は目をなさいように強く注意を促しています。ここで「エキサイティングシートでヘルメットをしていたのに当たってケガをした。どうにかしてほしい」という話になっても、それは臨場感ある観戦に伴って引き受けているリスクであるという話になるのではないかと思います。
他方で、「子どもを連れてこよう」というキャンペーンを展開し、そこに子どもがいることが分かっているなかでケガをさせてしまったら「損害賠償責任を問われる」という裁判例があります。

結局どこまで、こちらで注意を促し、管理していくのかという話になると思います。
一般にフットサルを観戦に来られるお客さんが、「近くで見たい」というのは、小学生の男の子くらいなら特に強く感じますよね。
やはり、リスクの管理をしながら、スポーツの魅力を損なわない環境をどう用意できるかが大事だと思います。

関野:アリーナ席は「小学生以下はご遠慮ください」としていますが、試合後、選手とハイタッチができるので、皆さん最初に座りたがります。でも、全力でプレーする選手に「危ないのでクリアボールを軽く蹴れ」とは言えません。例えば、同じFリーグの名古屋オーシャンズは自分たちのスタジアムなので、試合中はピッチと観客席の間に天井からネットが降りてくる設備があります。町田にも電光掲示板を含めて、43万人の人口規模にふさわしい体育館の数と設備が欲しいと切に願っています。

守屋:ペスカドーラがリーグ優勝することで、成瀬の体育館を含めて周りの環境が良くなることを期待しています。

関野:チームの成績と集客の2つが整った上で、施設整備の話になると思います。ペスカドーラは、ここ2年でプレーオフに出られるようになって、去年は全日本選手権で優勝できました。少しずつ実力が付いてきているので、今度はリーグチャンピオンをしっかり獲って、認めてもらえるようにしたいです。

町田のために

守屋:私は町田出身で、町田の人の役に立ちたいと事務所を市内に開きました。ペスカドーラは地元の人との繋がりをすごく大事にされています。優勝してFリーグを引っ張っていくような全国規模としてのチームでありながら、町田のなかで愛されて、大事にされるチームとして大きくなることに私たちも携われたら、これ以上に幸せなことはありません。

関野:「町田のために」は私たちも同じです。試合で結果を出して、「アジアでナンバーワンのクラブになる」といった目標はあります。ですが、なによりも町田の方々に認知され、愛されることが大切だと考えています。
同じ市の中にJとFのチームがあるのは全国でも稀です。例えば、土曜はゼルビアの試合、日曜はペスカドーラの試合を見ることができて、そこで感動してもらったり、夢を見てもらったりできるような、非日常的な体験を提供することで、「町田って楽しい」「この町田で暮したい」と思ってもらえる人を増やしていけたら、幸せなことです。

(対談日 2017年2月9日)
【プロフィール】
関野淳太さん(写真右)
株式会社CASCAVEL FUTSAL CLUBE事業部長。町田市をホームタウンとするFリーグ所属のフットサルクラブチーム「ASV PESCADOLA 町田」を運営する。「ASV」はチームカラーの黄色の意味のポルトガル語「Amarelo(アマレーロ)」の「A」、町田市の花「Salvia・サルビア」の「S」、町田市の木「けやき(Zelkova・ゼルコバ)」の「V」から一文字ずつ組み合わせた。「PESCADOLA」はポルトガル語で町田市の鳥「カワセミ」という意味の「Martim-Pescador」と、「結びつき・絆」という意味の「Laco」を掛け合わせた造語。2015年度に全日本選手権で優勝。2年連続でFリーグプレーオフに進出、日本一を目指す。
ウェブサイト
http://www.pescadola-machida.com/

守屋栄橘さん(写真左)
守屋綜合法律事務所代表弁護士。市立町田第一中学校,都立町田高校卒業後,早稲田大学法学部,早稲田大学法科大学院を経て,2008年に司法試験合格,2009年より町田市内で弁護士業務を開始し,2014年より守屋綜合法律事務所を開所。専門分野企業法務(主として債権回収,契約書作成,労働問題,不動産,コンプライアンス等)その他一般民事(相続,交通事故,離婚等)。
平成28年6月1日付で「ASV PESCADOLA 町田」を運営する株式会社CASCAVEL FUTSAL CLUBEと顧問契約業務を締約。
ウェブサイト
http://www.moriyalaw.com/

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