カンボジアの聖地、世界最大級の文化遺産であるアンコール遺跡群を数十年にわたり撮影してきたBAKU斉藤さんの写真展が現在、女子美アートミュージアム(相模原市南区麻溝台)で開催されている。
日本・カンボジア交流促進年を記念する同展。石に刻まれた尊顔やヴィーナス像に焦点をあててクメール文化の美の形を紹介するほか、平山郁夫シルクロード美術館が所蔵する寺院建築やヴィーナスを精巧な絣(かすり)で表現したカンボジアシルクも公開する。
展覧会はBAKU斉藤さんの写真作品より、「ジャングルが愛でる遺跡」、「ヴィーナスの微笑み」、「尊顔」、「幻の遺跡」、「水の都」をテーマに構成。アンコール遺跡で特徴的な「尊顔」の原寸大写真作品は圧巻。「ヴィーナスの微笑み」では未公開作品を、「幻の遺跡」では立ち入りの制限が解けた「プリア・ヴィヒア」で今年4月に撮影したばかりの新作をそれぞれ展示する。
BAKU斉藤さんは企画当時、町田市在住。アンコール遺跡群の大きな尊顔を実物大に近いスケールで展示可能で、環境問題や建築、彫刻など美術大学の学生が学ぶことも多いため同館での展示が決まった。
「当展を通じて、私たちの記憶にアジアの人々が築き上げた壮大な文明をきざむとともに、人類が共有する美の遺産を次世代に継承する術を考えたい」と担当者。
関連イベントとして10月6日、BAKU斉藤さんがヴィーナス作品を中心にカンボジアの姿・魅力、撮影時のエピソードなどを披露するトークショーを予定する。
開館時間は10時~17時。火曜休館。入場無料。10月21日まで。