日本を代表する二大浮世絵師、北斎と広重の作品を中心に江戸時代の風景版画を紹介する展覧会が10月6日より、町田市立国際版画美術館(町田市原町田4、TEL 042-726-2771)で開催される。
江戸時代中期に誕生した浮世絵は、芝居と遊郭を中心的な題材としていたが、葛飾北斎の「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」と歌川広重の「東海道五拾三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)」をきっかけに、風景が浮世絵の主要なジャンルとなった。
同展では、浮世絵の風景版画が北斎と広重によって大成するまでの道のりを3部構成、422点の作品で紹介。江戸時代を生きた人々が風景に向けた多彩な「まなざし」に迫る。金字塔的作品「冨嶽三十六景」と「東海道五拾三次」のほか、北斎が房総旅行中に描いた大絵馬「富士の巻狩」が見どころ。
「二大巨匠の浮世絵は私たちを、どこか懐かしく、また同時に新鮮な江戸の風景の中に誘ってくれる。開館25周年を記念するユニークな内容の展覧会。華やかで多彩な江戸の風景画をご覧いただければ」と同館学芸員。
関連企画として、大久保純一さん(国立歴史民俗博物館教授・本展覧会監修者)の講演、三遊亭竜楽さんの独演、復刻浮世絵の摺(す)り体験などを予定する。
開館時間は10時~17時(土曜・日曜・祝日は17時30分まで)。観覧料は、一般=1,000円、高校・大学生・65歳以上=500円、中学生以下無料。初日と11月3日は無料。月曜休館(月曜が祝日の場合は開館、翌火曜休館)。11月25日まで。