江戸時代の長屋や湯屋、そば屋などを精巧に再現した模型の展覧会が、寺家ふるさと村のギャラリー&カフェ「JIKE STUDIO(ジケスタジオ)」(横浜市青葉区寺家町)で開かれている。
作品は、今年米寿を迎えた東京浅草のひのき細工師・三浦玉舟として知られる三浦宏さんが風呂おけ製作の傍ら、職人としての経験と時代考証に基づき再現。十分の一の縮尺で製作された作品は内部までこと細かに表現され、人々の気配までが作品に取り込まれている。
同展では、江戸東京博物館にも貸し出されたという建物11点をはじめ、天皇皇后両陛下より秋篠宮悠仁さまへ御初節句のお祝いとしても贈られた檜兜(ひのきかぶと)、まとい、金魚鉢などを展示。「人間が小さくなったら住めるように作った」(三浦さん)ことを感じられるように作品を配置したという。
「当スタジオのコンセプトは『流れる時間・流されない時間』。三浦さんの作品は、まさに私たちの思いそのもの」とプロデューサーの坂上浩美さん。
「変わりゆく時代の中でも、ひのき細工師として決して時代に流されることなく、ご自分の時間軸を持ち、日本伝統のものづくりをされている。日本の原風景が残る、ここ寺家町で三浦さんの世界をぜひとも多くの皆さまにご覧いただければ」と来場を呼び掛ける。
開催時間は10時30分~17時。火曜定休。入場無料。18日13時より、林家正雀さんと桃月庵白酒さんによる、江戸の町をテーマにした落語会も予定する。19日まで。
寺家ふるさと村は、町田市と川崎市に隣接した青葉区寺家町にある田園地域。環境に引かれた物づくり作家やアーティストが自然に集まり、倉庫や工場を改装してアトリエや工房を開いている。