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相模大野駅~原当麻駅にBRT導入 相模原市「基本計画案」再公表

新しい交通システム導入基本計画(案)から抜粋した「区間別の走行形態」。「県道52号(西大沼4丁目交差点~国道16号方面)の整備位置は、確定したものではありません。」と注釈が付いている。

新しい交通システム導入基本計画(案)から抜粋した「区間別の走行形態」。「県道52号(西大沼4丁目交差点~国道16号方面)の整備位置は、確定したものではありません。」と注釈が付いている。

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 相模原市は9月21日、相模大野駅~原当麻駅を結ぶ新しい交通システムに関する意見公募(パブリックコメント)を開始した。

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 2009(平成21)年に提案した「新しい交通システム導入基本計画(案)」の見直し案。既存の道路を「最大限に活用」するルートを計画に盛り込んだ。

 計画案によると、他の輸送システムに比べて安価で、段階的な運用や道路状況に応じた柔軟な対応が可能なBRT「Bus Rapid Transit(幹線快速バスシステム)」を採用。路線バスをベースとし、走行形態、車両、駅・停留所、運賃収受、優先信号などの改善を組み合わせることで、定時性・速達性の確保や輸送力の増大を図る。

 車両は、町田市でも運行している「連節バス」を基本とし、走行空間の整備進捗に合わせた需要変化などを考慮し、通常バスと併用しながら段階的に導入。ターミナルと中間駅では、上屋・風よけ、情報提供装置などにより、快適で利便性の高い待ち合い環境を整備する。

 導入ルートは、南部地域の拠点施設である北里大学・病院、麻溝台工業団地、女子美術大学などへのアクセス強化や麻溝台・新磯野地区や当麻地区の新たな都市づくりの拠点との連携強化を図るとともに、拡幅整備計画のある県道52号を最大限に活用する。

 県道52号の拡幅整備(相模原公園入口交差点~国道16号方面)の想定スケジュールを時間軸に設定し、短期(計画策定後おおむね5年)・中期(同5~10年)・長期(同10~20年)での段階的な導入計画を設定。最終的には県道52号の相模原公園入口交差点~若松小前交差点の区間でバス専用レーンを設ける。

 相模大野駅~県道52号の区間は、朝夕のピーク時間帯の混雑を緩和し、BRTを含めた交通全体の円滑化を図るために必要な交差点の改良整備を行うほか、駅前広場から県道51号に向かう道路は平日7時~8時30分に公共交通以外の流入を規制することを検討する。

 BRTの導入に伴い、既存バス路線の一部は「減便」「再編」などを実施する予定。概算事業費は、全体で約25.6億円(道路整備費は除く)。インフラの施設整備は相模原市、インフラ外の施設整備と運行は事業者がそれぞれ行う「公設型上下分離方式」とする。

 費用便益分析では、中期・長期で投資額を上回る社会的便益が期待できるという。需要予測に用いた交通手段別所要時間から算出した1人あたりの平日1日の所要時間短縮は、短期=約6.5分、長期=約8.4分。

 パブリックコメントの募集は10月21日まで。9月24日と28日、市民説明会を開く。案は市ホームページのほか、交通政策課、各行政資料コーナー、まちづくりセンター、図書館などで閲覧できる。

 市は2009(平成21)年、新しい交通システム導入基本計画(案)の説明会やパブリックコメントを実施したが、住宅地を通すルートであることや、多大な事業費、導入の必要性、地元への説明不足などの理由で多数の反対意見が寄せられていた。「再度原点からの検討」(市)で今回のパブリックコメントに至っている。

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