相模原市は6月18日、市役所など公共施設の再編に関する検討結果を公表。相模総合補給廠一部返還地への「全面移転」も候補に挙げている。
昭和40年代に整備された市役所本庁舎や市民会館などの老朽化の進行を踏まえ、今後の改修や建て替えに向けて準備することが検討の目的。
市が2016年度に策定した「広域交流拠点整備計画」では、市役所周辺の公共施設が駅から離れていることによる利便性の低さや効率性の悪さを問題として挙げ、相模総合補給廠一部返還地(相模原駅北口地区)に行政機能を整備することを方向性として掲げている。
調査では、市役所周辺に分散する公共施設の「全面駅前移転」「現地建替え」「交流機能駅前移転」「市役所(区役所除く)駅前移転」の4パターンを想定。
「全面駅前移転」案は、利便性や効率性で他案よりも優れているが、地価の高い駅前の土地を市が大規模に取得することによる税収減がネック。60年間の収支比較では、最高コストは「全面駅前移転」の約1,750億円、最低コストは「交流機能駅前移転」の約1,644億円。1年あたりに換算すると約1億8,000万円の差だ。
市民会館や産業会館などの交流機能は、一部返還地への移転によって多くの利点が期待できることから、導入検討中のコンベンション施設との合築も視野に移転・集約の検討を深めるという。
再編方法の決定は、今回の調査結果を参考にしながら今後、「再編にともなう跡地や空き施設の扱い」「国などの施設と併せた再編の検討」「市民意向の把握」などを進め、より最適な方法を検討。施設更新費用の捻出のために、計画的な基金の積立なども費用の平準化や財源確保のための有効手段の1つとして検討するという。