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貧困が幼児教育に影響 北里大の分析で明らかに

最も高所得世帯の子どもと比べ、最も低所得の世帯の子どもは未就園の可能性が高い

最も高所得世帯の子どもと比べ、最も低所得の世帯の子どもは未就園の可能性が高い

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 社会的に不利な家庭の子どもは未就園の可能性が高いことが、北里大学医学部(相模原市南区麻溝台2)の研究者らの分析で明らかになった。

 質の高い幼児教育の重要性はノーベル経済学賞受賞者ジェームズ・ヘックマン教授によって指摘されているが、海外の研究によると、社会的に不利な家庭ほど幼児教育を受けていないという。

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 3歳児の8.9%、4歳児の2.7%、5歳児の1.9%が保育園・幼稚園・こども園に就園していない(未就園)と推計される(2017年度)日本ではこれまで、どのような特徴を持つ子どもが未就園なのかは分析されていなかった。

 研究は公衆衛生学の可知悠子講師らによるもので、3月23日、学会誌「Journal of Epidemiology」に掲載された。分析は厚生労働省が全国規模で実施している「21世紀出生児縦断調査」データを利用。2001(平成13)年生まれの1万7019人と2010(平成22)年生まれの2万4333人を対象に、3~4歳時点で未就園の要因について、家庭の社会経済的状況と子どもの健康・発達に着目した。

 その結果、最も低所得の世帯が最も高所得の世帯と比べて未就園の可能性が1.5倍高いなど、2001年・2010年生まれの両方で、低所得、多子、外国籍など社会経済的に不利な家庭や、発達や健康の問題(早産、先天性疾患)を抱えた子どもに未就園の可能性が高いという傾向が出た。

 考察では、課外活動費や給食費など保育料以外の費用が負担になっている可能性、親のメンタルヘルスの問題などに触れ、各自治体による未就園児の状況の把握、幼児教育を受ける機会の公平性の担保、障害児教育の充実などを提言している。

 各自治体による未就園児の状況の把握について、可知講師は「未就園の要因として、親になんらかのうしろめたさがあったり、メンタルヘルスに問題があるなどの場合、紙の調査で実態を把握することは難しい。地域の特性にあわせて、例えば地域の人が家庭訪問するなどのアウトリーチが必要」と話す。

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