相模大野のユニコムプラザさがみはら(相模原市南区相模大野3)で現在、写真家・中野正貴さんの作品展「MY LOST AMERICA」が開かれている。
中野さんは1955年福岡県生まれ。写真家の秋元茂さんに師事し、フリーの写真家として独立後は雑誌や広告写真を手掛ける一方、10年をかけて無人の東京を写した「TOKYO NOBODY」で2001年、日本写真協会新人賞を受賞。2005年には窓から東京の風景を切り取った「東京窓景」で第30回木村伊兵衛写真賞を受賞した。
「MY LOST AMERICA」は、中野さんの都市写真の原点となった作品。懸命に日々を生きる人々の姿や都市空間の視覚的な面白さ、カウンターカルチャーが写し出されている。
展覧会は、来年度に20周年を迎える「フォトシティさがみはら」のコレクションから、2008年のさがみはら写真賞を受賞した中野さんの作品29点を紹介。「1980年代のアメリカを写した当作は、若き日の中野が肌で感じた都市の空気とそこに生きる人々の瑞々しい姿が撮られている。それらの写真は2001年の同時多発テロによって崩落したワールドトレードセンターなどの失われた風景の記録でもある」(担当学芸員)。
「在りし日のアメリカを通して、変わりゆく都市と人とが織りなす有機的な関係、そしてそれらを記録し伝えていく写真のあり方について考えるきっかけとなれば」
開催時間は10時~18時。入場無料。12月26日まで。