相模原市は5月22日、相模原駅北口地区のまちづくりコンセプトを「多様な交流が新たな価値をうみだすライフ×イノベーション シティ」にすると発表した。
同地区はJR相模原駅北口に面する相模総合補給廠一部返還地で、面積は約15ヘクタール。2016年に策定した広域交流拠点整備計画に基づき、コンベンション施設などの導入を見込んだが、近隣市町村に同様の施設が建設されるなど、社会情勢の変化が生じたことから決定には至らなかった。
まちづくりコンセプトは、地区に求められる役割や将来像を示すためのもので、市民アンケートや有識者へのヒアリング調査などを行い、現状や、「リニア中央新幹線の新駅の設置、JAXAや北里大学病院、全国リーグのフットボールチームが立地する」といった強み、「昼間人口と交流人口の拡大」といった課題などを踏まえて策定した。
約1700人に行った市民アンケートによると、「市民が誇りを持てる特徴あるまちづくり」、「小田急多摩線延伸につながるまちづくり」などが必要であるとの意見が多い一方で、「広域から人を呼び込むよりも市民の利便性を重視したまちづくり」を望む意見も多かったという。
コンセプトを構成する、「ライフ」は市民の安全・安心、健康、暮らし、利便性や娯楽等、生活に直接関係する分野の充実を表す。「イノベーション」はロボット・宇宙・エネルギーなどの先端テクノロジーの分野で多様な人々が集まって、イノベーション創出の拠点を形成するともに、その技術を生かし、教育、介護、福祉、医療など市民生活の質の向上につなげられる環境や将来の補給廠全面返還時における展開への期待を表したという。
コンセプトをもとに市は今後、市民が参加する会議などで意見を聞きながら、導入する機能をまとめて土地利用方針を策定する予定。