相模川のアユ釣りが6月1日に解禁された。遡上したアユの数は昨年より半減したが、大きく育っているという。
神奈川県内水面漁業振興会の調査によると、相模大堰(海老名市)で確認した今年の天然遡上は216万尾(5月26日時点)。高田橋友鮎販売所(相模原市中央区水郷田名4)の我妻竜雄さんは「昨年の台風19号で、アユの卵や稚魚が流されてしまった可能性が高い」と話す。
高田橋付近の釣り人の姿は昨年よりも少ない。一日あたりの釣果は多くて20匹。アユの数が少ない分だけエサとなるコケが豊富で、例年は体長12~13センチのところ、今年は17~18センチと大きく育っているという。
2年前にスタートした釣りアユの買い取りは、新型コロナウイルスの影響で飲食店の需要が少なく、7月中旬以降に延期した。「初物のアユは高値で取引されるので、解禁日から買い取りを始めたかった」(我妻さん)。同販売所では、事前申し込み制で生きた天然アユを販売する。価格は1匹350円程度。生きた天然アユは市場に出回らないことから、「鮎の背ごし」を提供する割烹や寿司店などが買い付ける。
昨年の台風の影響はアユの減少だけではないという。「河原の石が流水で荒れてしまって、四輪駆動車でないと川岸まで近寄りにくい。昨日は橋脚下で動けなくなった2人の子どもを急きょ、ロープを使って人力で救助した。これからのシーズン、バーベキューやキャンプで多くの人が遊びに来るので、河川管理者には対策をお願いしたい」と話す。