町田市は7月、(仮称)国際工芸美術館の基本設計を含む「芹ヶ谷公園“芸術の杜”パークミュージアム」の検討状況を公表した。
昨年度に決定した整備コンセプト「パークミュージアム」は、(仮称)国際工芸美術館(以下、工芸美術館)・国際版画美術館(以下、版画美術館)・芹ヶ谷公園を一体的に整備し、公園の価値と資源を生かしつつ、まちなかの賑わいと連携させることで、町田らしい多彩なアート・カルチャーを体現する場を目指す、「体験型の公園」。
新設される工芸美術館は、版画美術館の北側斜面に配置。市街地側からの高低差のあるアプローチを工芸美術館を介したバリアフリー動線で解消するほか、工芸美術館の屋上テラスを活用し、パークミュージアムの活動や公園の豊かな自然を感じられる新しい回遊動線を設ける。
従前の計画案とは異なり、谷の中腹に展示室を分散配置することで建物の大きなボリュームが現れることを避けるとともに、市街地側からの搬入経路を設けて版画美術館前への進入車両をなくす。建物は3階建てで、外部空間を含む床面積の合計は約2000平方メートル。版画美術館とはブリッジとエレベーター塔で接続する。
版画美術館は施設の一部(約600平方メートル)を改修し、アートに関わる参加や体験を提供する「アートステージ」を整備する。公園内に活動と体験の拠点「ステージ」を複数設けることで、利用者の新しいアクティビティーやコミュニティーが生まれることを期待する。開館予定は2024年度。
今後、概算工事費の積算のほか、官民連携事業の導入可能性について民間事業者との対話を重ねながら、事業対象施設、期間、参加要件などの検討を進めるという。
市はパークミュージアムの検討状況に関する意見や質問を募集中。8月3日頃まで受け付け、後日、市ホームページに回答を掲載する。