玉川大学(町田市玉川学園6)は1月20日、新しい脳科学研究施設「Human Brain Science Hall」の竣工記念講演会を開いた。
同大学は脳科学研究を1996年にスタート。研究所を2007年に設置して、脳の仕組み、心の社会性に関する心理学・脳科学、乳幼児の言語発達、人工知能システムなどを研究している。
新しい研究施設は、学内に分散していた関連研究施設を統合。施設の有効活用とヒューマンサイエンスに関連する知の集約化により、知的生産性と革新性を高めるラボを目指す。
施設面積は約2000平方メートル、地上3階建て。隣接の研究センター棟を増築したようなL字型の平面。「開かれた研究拠点」を象徴する交流機能がカーテンウォールで「見える化」している。最高グレードの3テスラMRIを設置し、照明や空調などの設備はウェルビーイングやジェンダーに配慮。ハード面で様々な感染症対策を施す。
講演会にリモートで登壇した室伏広治スポーツ庁長官は、同研究所の研究成果を評価し、「スポーツ イン ライフ推進のため、スポーツに無関心な層に行動変容を促すような研究を期待している」などと話し、「アテネ五輪の金メダル後、周りの期待に応えようと悩んでいた際、『君の対戦相手は無限の蒼空と不動の大地だ』(小原芳明学長の言葉)を人づてに聞いて肩の力が抜けた。そして36歳(最年長記録)で世界選手権に優勝し、ロンドンで3位に入ることができた」と明かした。
小原学長は「小さな研究から始まって、塚田稔先生の『脳科学はファイナルフロンティア』という言葉で拡充に努めてきた。脳の機能が100年人生に追いつくことができるか、研究成果に期待している」などと挨拶した。
同施設は4月から本格稼働するという。