伊勢丹の閉店とコロナ禍で人通りが激減した商店街を活気づける取り組みが8月末、相模大野のコリドー街で始まった。
コリドー街の歩行者数は、平成25年の約3万人をピークに令和2年は約1万人。7年間で1/3に減少した。相模大野駅から伊勢丹を抜けて帰宅するルートは、伊勢丹撤退後のマンション建設で通行止め。市内で最も高い地価の通りに面する飲食店が少なくなり、夜間はめっきり人がいなくなった。
相模大野の人気イベント「もんじぇ祭り」は今年も中止。少しでも街に活気を取り戻そうと、相模大野北口商店会がコリドー街の一区間で「Open Air 相模大野」をスタート。発案者は、近くで飲食店を経営する角田安弘さん。「まずは通りに人が集まることが大事。街路樹の手入れも行き届いていないが、できることからやろうと考えた」
国土交通省が新型コロナウイルスで影響を受けた飲食店の支援策として、暫定的に緩和した道路の占用許可基準の適用を申請。車両通行禁止の10時~22時、賛同する飲食店がそれぞれテーブルを持ち寄り、食事や飲み物を提供する。現在の参加店は、居酒屋「善吉醸し屋」、地中海料理店「マリスター ダイニング」、寿司ダイニング「かつまさ」、イタリア料理店「イタリアンガーデン」、もつ焼き「こがめ」の計5店舗。テーブルは注文せずに、休憩だけでも利用可能。
当面の課題は、会場から離れている店舗への注文方法。「メッセンジャーアプリを利用する方法がうまくいけば、沿道以外の店舗も出店メリットが出てくる。9月中旬までには実用化したい」と角田さん。
「国交省の緩和制度は9月末に終わる予定だが、その後も何らかの方法で継続する。街のみんなで一緒に取り組まないと人は集まらない。集客力のあるマクドナルドやスターバックスコーヒー、ドトールにも参加を呼びかけていく。始めたばかりで街の人の認知度は低いが、続けることで活気を取り戻したい」とも。
当面の実施期間は9月30日まで。