アコギ1本で「ホールワンマン」-田宮俊彦さん、町田市民ホールで無料コンサート

田宮俊彦さん(左)と佐藤代士也さん、町田の路上で。

田宮俊彦さん(左)と佐藤代士也さん、町田の路上で。

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 町田市民ホール(町田市森野2)で5月2日に開催するコンサートに向けて、シンガーソングライター田宮俊彦さんと主催者「歌人会」代表の佐藤代士也さんが二人三脚で準備を進めている。

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 田宮さんは1974年生まれ。町田を代表するライブハウス「The Play House(プレイハウス)」を拠点に1993年より活動を開始。年間50本以上のライブをこなし、フルアルバム3枚を発表。現在は「clove(クローブ)」(中町1)と「町田 WEST VOX(ウエストボックス)」(森野1)などで演奏するほか、コミュニティーFMのラジオパーソナリティーでは若手ミュージシャンを積極的に紹介するなど、町田のミュージックシーンをリードする存在。

 佐藤さんは2004年、アコースティックの音楽イベント「歌人会」を始めるため、田宮さんに出演を依頼した。「田宮さんは素晴らしい才能の持ち主。聴き手を大事にするし、町田でがんばっている10代、20代のシンガーからの信望が熱い。路上で彼の歌をカバーするミュージシャンもいるほど」(佐藤さん)。

 田宮さんは「声をかけられて、怪しいと思った(笑)。ミュージシャンを食い物にしようとする人にだまされたこともある。佐藤さんの情熱にちょっとびっくりした」と告白する。「歌人会のイベントを見に行った。観客が参加ミュージシャン全員を応援しようとする雰囲気が良かった。ライブハウスの観客はお目当てのバンドしか興味を持たない。ライブハウスとは違う雰囲気に出演してみようと思った」(田宮さん)。同会4回目のイベントから参加を始める。

 「田宮さんは当会のイベントに欠かせない存在になった」(佐藤さん)。佐藤さんは仕事の傍ら、ボランティアでイベント準備に駆け回る。「ミュージシャンを取り巻く環境はとても厳しい。素晴らしい演奏への対価をきちんとしたい。演奏会場となる店と観客、ミュージシャンの三者が満足する姿を見ることが最高の喜び」(同)

 今回の公演について、佐藤さんは「田宮さんは仙台や福岡など地方でのライブも増えつつある。仙台市の中山小学校体育館で2007年に行なったワンマンライブは200人を動員した。日比谷野外小音楽堂のイベントではメーンを務めた。これまで積み上げてきたものを形にすべく、地元町田の一番大きな会場で演奏すべきだと考えた」と説明する。

 公演は無料。経費は主催者がすべて負担し、企業の協賛は受けない。「町田にこんな素晴らしいシンガーがいることを知ってほしい。運営スタッフ20人はボランティア。若いミュージシャンも手伝ってくれる。プロモーションを頑張って、自分たちの思いを100%込めたコンサートをやりたい」(佐藤さん)。

 「市民ホール開館30年の歴史の中でメジャー契約をしていないシンガーの単独公演は初めての試み。アコースティックギター1本でのソロ公演は一つもない。今回の公演が成功すれば、追随する町田の若手ミュージシャンが大きな希望と夢を持てる。しいては町田のミュージックシーン全体の発展につながるはず」(同)。

 「5月2日以降の予定はまったくの白紙。このコンサートにすべてを懸ける。アコースティックギター1本でも活躍できるということを若いミュージシャンに示したい」(田宮さん)。

 14時開演。全席自由。入場無料。

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