鶴見川流域の自然や環境活動を紹介する「鶴見川源流祭」が5月10日、都立小山田緑地(町田市下小山田町)で開催される。主催は、NPO法人鶴見川源流ネットワーク(小山田桜台2、TEL 042-798-2693)。
同企画は、鶴見川流域で連携する市民団体と行政が一同に集い、鶴見川源流域の環境について考え、情報交換などを行う交流会として毎年開催されている。前回の来場者数は約300人。19回目となる今回は、「鶴見川源流の泉 保全20周年」をテーマにするとともに、整備が進む北部丘陵の森づくりにも焦点を当てる。
当日は、流域の市民団体などの模擬店や活動の様子を紹介した展示をはじめ、河川行政の広報展示を行うほか、ナチュラリストゲームや源流ウオッチングなど自然にふれあう企画を繰り広げる。源流付近の井戸水を使ったオリジナルブレンド「源流コーヒー」や地場野菜を用いた「源流鍋」も提供。「源流域周辺に不法投棄された場所があるので、源流のわき水ではなく農家の井戸水を使用する」と同NPOの小林美晴さん。
鶴見川は、東京都と神奈川県を流れる全長42.5キロ、流域面積235平方キロの一級河川。流域内人口は約188万人で、流域内人口密度は全国109水系中1位(2003年現在)。源流は、町田市の北部に位置する田中谷戸の湧泉(ゆうせん)。源流付近は、保水や浸透機能を有する貴重な自然環境と自然景観が残り、絶滅危惧種であるホトケドジョウ、ギバチ、スナヤツメなどの魚類やタコノアシ、カンエンガヤツリなどの植生が見られる。
2005年から、町田市の委託を受けて源流付近の環境保全活動に取り組んでいる同NPO法人。スタッフの小林さんは「荒廃地の約7割を占める竹やササを伐採し、今年初めて子どもたちとドングリから育てたコナラやクヌギの木を植樹した。今後は耕作されずに荒れ果てた田んぼを湿地状態にする活動を行う予定」と話す。