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町田の住宅街に「自家焙煎コーヒー豆」販売店-大手IT企業の役員から転身

ヒルズ珈房オーナーの岡健司さん

ヒルズ珈房オーナーの岡健司さん

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 町田・玉川学園の住宅街に自家焙煎(ばいせん)コーヒー販売店「ヒルズ珈房」がオープンして4カ月が過ぎた。

自宅の庭にセルフビルドしたログハウスの店舗

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 オーナーの岡健司さん(45)は日本最大のショップモール関係事業会社の元役員。起業のきっかけは、シアトルで出会ったスペシャルティコーヒー。

 「それまでコーヒーに無頓着だった。シアトルでコーヒーのおいしさを知り自己流で焙煎を始めた。そのうち、もっと本格的に取り組みたくなり、軽井沢珈琲倶楽部カワンルマーの小野善造氏に弟子入り。会社勤めをしながらコーヒー作りをゼロから学び、コーヒーの奥深さに引かれ、独立を決断した」と振り返る。

 「周囲からは『なぜ転身するのか』と不思議がられた。みんなやりたいと思っているが、踏ん切りをつけられる人は少ない。リスクを取れる年齢で始めることにした。ただ、この世界で成功するかどうかは分からないので、『ミニマムスタート』で始めることにした。スケールを抑えて、低リスクで事業性を判断する」

 店舗はフィンランドからログハウスを輸入し、自宅の庭に自分で組み立てた。裏には焙煎工房も設けた。店舗面積は約3坪。試飲用のカウンターテーブルも用意する。「土地代はタダ。家具はイケア製品を多用。狭い空間だが、良い香りと音楽でついつい長居してしまうような落ち着いた空間づくりを心掛けた」という。

 現在の在庫銘柄は、ブラジル、コロンビア、インドネシア、エチオピアなど15カ国19地域(農園)の豆とハウスブレンド5種類の計26種類。入れ替わりで夏場は15種類、冬場は20種類程度を販売。事前に連絡すれば店頭にない銘柄も焙煎する。

 焙煎機は、小野さんが長年の焙煎ノウハウを注ぎ込んで設計・製造したマシン「GRN熱風式焙煎機」。「じか火式や半熱風式よりも長い時間をかけて焙煎する。豆の水分量が減って、おいしく飲める期間が長くなる。酸味の強いコーヒーは柔らかく優しい香味に仕上がる」

 商品は、モカの芳醇(ほうじゅん)な香りが特徴の「フラワリー」、カフェオレでもミルク負けしないようコクを追及した「フレンチ」などオリジナルブレンド(100グラム=490円)。キリマンジャロ(同790円)、ブルーマウンテンNO1(同1,580円)など。クオリティーシーズンの紅茶やビスコッティー、ドリッパーやエスプレッソマシンなども販売する。

 今後の展開について、岡さんは「地域に密着した販売で、地元の皆さまに新しいタイプのコーヒーを体験していただけるような活動を中心に、個人の方はもちろんカフェやレストランにも広めていきたい。これまでの経験を生かした通販サイトも製作中。10月ごろにグランドオープンの予定。将来的には新しいビジネスモデルを生み出したい」と話す。

 営業時間は10時30分~18時。水曜・第3木曜定休。

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