サッカー第91回天皇杯全日本選手権1回戦が9月3日、山梨中銀スタジアム(山梨県甲府市)で行われ、東京代表のFC町田ゼルビアは山梨県代表の山梨学院大学附属高校に5対2(前半4対1)で勝利した。入場者数は740人。
山梨学院高は県予選4試合で15ゴールの攻撃力を誇るチーム。社会人クラブや高校ライバルの帝京三高を下して本戦出場を決めた。清水エスパルスへの加入が決まった白崎凌兵選手(3年)は今試合欠場。戦力的には1.5軍。「プリンスリーグが明日に控えている。天皇杯は3年生がトライする大会と位置づけている」(吉永一明監督)。
一方、ゼルビアは主力選手をスタメンに揃える。「メンバーを相手とうちの選手に示し、メンタル面での準備を示したかった。相手をリスペクトする気持ちもあるし、来週のリーグ戦に備えた調整という意味もある」(ポポヴィッチ監督)。
試合開始ともにゼルビアが山梨学院高を圧倒。3分にFWドラガン・ディミッチ選手がドリブルから狙いすました左サイドキックで先制。しかし10分、山梨学院高がゼルビア守備陣のパスの乱れを突き、GK吉田宗弘選手の頭を越す技ありのロングシュートを決めて同点とする。その後、ゼルビアはペナルティーエリア内で細かいパスをつなぎ、相手守備陣を翻弄。4対1で試合を折り返す。
後半は山梨学院高が積極的に仕掛けるが、ゼルビア守備陣がパスコースを封じて決定的なチャンスは与えない。アディショナルタイムに山梨学院高がPKで得点するも、5対2でゼルビアが勝利した。
試合後、ポポヴィッチ監督は「昨日の日本代表戦のように『勝てる試合』での試合運びは難しい。そういう意味で勝利できてうれしく思う。試合では良い流れの中から得点できたが、修正すべき点もある。山梨学院高には本戦出場を称えたい。良いチームだった。日本サッカーの将来のためにこういう舞台に立つことは重要だと思う」と振り返る。
さらにJ1のヴァンフォーレ甲府との次戦について、「途中で緊張感を欠いた今日のような試合にはならないようにしたい。しかし結果は今日みたいになってほしい。甲府のホームスタジアムを経験できたのは良かった」と話す。
吉永監督は「厳しい戦いだった。攻撃的なチームに対しては点をとるチャンスがある。前半、選手は前に出ることを躊躇(ちゅうちょ)していた。後半はメンタル的に立て直し、挑むことができた。今後の成長につながる」と話す。
ゼルビアの天皇杯2回戦は10月8日、山梨中銀スタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦する。15時キックオフ。次回公式戦は9月11日、町田市立陸上競技場でV・ファーレン長崎を迎え撃つ。14時キックオフ。