FC町田ゼルビアは11月27日、町田市役所で秋田豊新監督の就任会見を開いた。「1年でJリーグに復活するため、来季のJFLで優勝する」(下川浩之社長)ための人事。
秋田監督は1970(昭和45)年生まれ。鹿島アントラーズで不動のセンターバックとして活躍するとともに、1998年フランス、2002年日韓の2回のワールドカップを経験。アジア地区最終予選のヘディングゴールで強い印象を残した。引退後は、京都サンガF.C.監督、東京ヴェルディ トップチームコーチなどを歴任している。
異例の早期就任について、下川社長は「一日でも早く新体制をスタートし、JFLに向けて準備する」と説明。「秋田監督は柱谷哲二さんと並ぶほど熱い監督。世界を見てきた、高いレベルの戦い方を指導してもらいたい」と期待を寄せる。
「町田の子どもたちに憧れられるチームづくりを目指す。最後まで戦える集団をつくっていきたい」と冒頭であいさつした秋田監督。就任の理由について、「東京ヴェルディ在籍中にゼルビアと戦ったが、(JFLに)落ちるようなチームではないと思った。選手のポテンシャルが高い」と話す。
午前中の初練習では選手の反応の良さに手応えを感じたという。「これまでのポゼッションや攻撃の質といったゼルビアのサッカーに足りなかった守備とフィニッシュを強化したい」とチームづくりの方向性を明かす。
「今日のミーティングで秋田監督が選手たちに『俺ってどういうサッカーすると思う?』と聞いたら、一様に『ヘディング』と答えた(笑)。途中からディフェンスとオフェンスに分かれての練習に入ると、選手たちは『待ってました』とばかりに、中学生がJリーガーに教わるような目つきだった」とエピソードを明かしたのは、強化・育成統括本部長兼強化部長に就任した楠瀬直木さん。
「ヘディングが全てではないが、一つ一つのプレーにこだわることが魅力になる。アルディレス前監督が植えつけてれたポゼッションが消えないようにできれば素晴らしいチームになる」と期待を寄せ、「秋田監督をサポートし、J2に必ず復帰する」と力を込める。
秋田ゼルビアの初陣は12月15日の天皇杯。万博記念競技場(大阪府吹田市)でガンバ大阪と対戦する。「チームは変わる。戦う姿を見せたい。相手がどこであろうと勝ちにこだわりたい」(秋田監督)。