町田市立国際版画美術館(町田市原町田4、TEL 042-726-2771)は10月26日・27日、メディア・アートの多様な在り方を紹介する「デジタル・インターコネクション展」を開催する。
11回目の今回は、東日本大震災をテーマにメディア・アートと社会との関わりを取り上げる。26日は、パネルディスカッション。「3.11とアート-そのプラットフォームの在り方」と題して、被災地の求めるものとアーティストの熱意とを結びつける「相互作用的メディア・コミュニケーション」の将来像を探る。登壇者は、アーティストの丸山常生さんと丸山芳子さん、「奥会津書房」代表兼編集長の遠藤由美子さん、情報システム研究者の佐久間亮介さん。
27日は、首都大学東京の渡邉英徳准教授による「東日本大震災アーカイブ」プレゼンテーション。同プロジェクトは、震災の被害状況を可視化し、災害の実相を伝える多元的デジタル・アーカイブズ。芸術的価値が認められ、オーストリアのリンツで開催される芸術・先端技術・文化の祭典「アルス・エレクトロニカ」で今年、栄誉賞を受賞した。
「従来のマス・メディアに加え、阪神・淡路大震災の時には普及していなかったソーシャル・メディアが、被災地と全国とを結ぶ新しい役割を果たしたが、往々にして情報は一方向的で、被災地とそれ以外の地域との『協働』という関係は、なかなか生み出されなかったように思う」と主催者。
「多くのアーティストが、どのようにして東日本大震災に自らがコミットできるのかということを、熱意を持って真剣に考え始めている」と説明する。
開催時間は14時~16時。関連企画として、学生作品を紹介する「学生メディア・アート展」を11月16日~24日に開催する。開催時間は10時~17時。入場無料。