
国土交通省が3月18日に発表した今年1月1日時点の公示地価で、町田市・相模原市の平均地価の上昇幅が拡大した。
対前年の平均変動率は、町田市は住宅地=2.5%・商業地=4.7%のアップ。多摩地区全域の変動率は住宅地=3.4%・商業地=5.3%は下回った。町田市の住宅地の平均価格は16万6,600円で26市中21位、商業地の平均価格は80万4,300円で同5位。
町田駅周辺では、多摩地区の商業地価格5位「野村証券町田支店」(町田市原町田6-3-9)が1平方メートル当たり297万円で前年より12万円アップ。同10位の町田駅前通り「薬マツモトキヨシ町田東口店」(原町田6-15-15)は同221万円で16万円アップ。町田駅前通り「三徳ビル」(原町田4-1-7)は同191万円、ぽっぽ町田やブックオフなどが立ち並ぶ原町田中央通り沿いのビル(原町田4-5-8)は同89万5,000円。
対前年変動率が最も高いのは、再開発が進む鶴川駅周辺の商業ビル(能ヶ谷1-7-6)で昨年より10%アップの48万5,000円。
町田市内で住宅地の標準地79カ所の対前年変動率を見ると、プラス=67カ所、マイナス=1カ所、ゼロ=11カ所。
相模原市の平均価格と対前年変動率(カッコ内)は、住宅地=18万3,000円(4.3%)・商業地=35万6,700円(6.6%)。 区別では、緑区が住宅地=15万2,800円(3.3%)・商業地=30万9,500円(4.6%)、中央区が住宅地=17万2,100円(4.9%)・商業地=29万8,800円(7.4%)、南区が住宅地=21万5,800円(4.5%)・商業地=44万5,000円(7.4%)。
相模原市内の商業地価格1位は、相模大野駅北口の商業ビル(相模原市南区相模大野3-12-13)の123万円(前年比15%アップ)。リニア中央新幹線の開業を控える橋本駅から約200メートルの商業ビル(緑区橋本3-30-1)は65万円1,000円(同9.4%アップ)。相模原駅徒歩1分の商業ビル(中央区相模原2-2-17)は42万円5,000円(同9.8%アップ)。
令和7年地価公示結果について国土交通省は、「上昇幅の拡大傾向が継続」としている。
東京都は多摩地区の住宅地の地価動向の背景について、「再開発事業及び区画整理事業等により住環境が向上した地域、駅徒歩圏内の接近性が優る利便性の高い地域では、緩やかな上昇で推移している。一方、居住者の減少・高齢化が進んでいる地域、バス便利用の地域や丘陵地等は下落や横ばい傾向にある」と説明している。
神奈川県は相模原市の地価動向について、「橋本駅周辺では、リニア中央新幹線事業による整備発展や商業集積に対する期待感から、継続して地価の上昇傾向が見られた。また、相模大野駅など駅に近く平坦で、上層階を共同住宅として利用可能な地域では、旺盛な住宅需要を背景に、継続して地価の上昇傾向が見られた」と説明している。