町田市立国際版画美術館(町田市原町田4、TEL 042-726-2771)は11月15日、ネット上の展覧会「ネットアーツ・オルグ2009」の大賞にリアルタイムで画像や音楽のリミックスができる「Visitors Studio」を選んだ。
ネットアーツ・オルグは、インターネット上でのアーティスティックな表現の可能性を探る試み。15回目となる今年のテーマは「わたしと遊んで/Play with Me」。
16カ国33点の公募作品と審査員の推薦11作品の計44作品から選ばれた「Visitors Studio」は、オンライン上でテキスト・イメージ(静止画、動画)・サウンド素材を操作し、リアルタイムのジャム・セッションができるウェブサイト。イギリスのクリエーティブ集団「furtherfield.org」が制作した。
ユーザーは映像や音声データをアップロードし、他人のデータとコラージュやリミックスができる。サイトには、異なった地理的条件や社会的な文脈を背景にした素材が並び、頭角を現してきたアーティストと既に名声を得ているアーティストとのセッションなどのコラボレーションの場を提供している。
審査員のアニェゼ・トロッキさん(アーティスト、イタリア)は「創造性はweb2.0の性質を反映していなければならない。大賞作品は軽々と作動し、操作しやすく、誰でも参加できるもの。この作品は、終わりのないクリエーティブなプロセスであり、そこではすべての参加者の小さな作品が共有されることによって、より大きな作品の一部となる」と評している。
そのほかの入賞作品は、個人のメールボックスを公的に共有する「G-maybe」、オンラインの共同芸術プロジェクト「Gridcosm」、コンピューターがクラッシュするまでmyspace上の音楽をブラウジングさせる「social-network-music」など4作品。これらの作品は「ネットアーツ・オルグ」のサイトからリンクされている。
同プロジェクトは今回が最終となる。