町田在住のライター&編集者の多田洋一さんが、「町田のちょっと懐かしい」を訪れ、今はなき店や出来事に思いをはせる、ゆるノスタルジー系連載。
こんにちは、多田洋一です。本に関わる仕事をしていて、町田市在住。ようやく朝晩は少し涼しくなりまして、いやぁ、8月の猛暑は厳しくちょっとヘタっておりました。そして前回の忌野清志郎の話で触れたギタリストのChar。私にとっては「生涯で一番多くライヴを見ているミュージシャン」なんですよね。1970年代半ばにはアイドルみたいな存在でもあり、町田のスガナミ楽器に集っていたロックな人たちのあいだでは「なんで歌謡曲にいっちゃったんだよ!」なんて声もあった記憶が。当時、関東の中高生がみんな見てた(言い過ぎかなw)情報バラエティ「ぎんざNOW!」には、たしか水曜日の「ラブラブ専科」のレギュラーで出演していました。この番組、ネットでもキャロルやサザンやクイーンやヴァン・ヘイレンが生演奏したことで語り草になっていて、とくに月曜日の「素人コメディアン道場」は関根勤や小堺一機、竹中直人などいまも活躍する人の登竜門でした。ちなみに総合司会、いまでいうメインパーソナリティーは、せんだみつお(ナハッ)。
写真は神奈中バスの停留所だと、「共同住宅」から「中町三丁目」「町田第一小学校入口」へと向かうあたり。ここを通過するときはほぼバスかクルマでして、窓越しの印象ではお医者さんの多い通りだなぁと感じていました。「なかまち内科・外科医院」「ななほし歯科」「アイセイ薬局」「はが動物病院」...あっ、でも、今回もう少し細かく観察してみたら、電信柱の広告も病院多数感を醸し出していたんだなぁと気づきました。順不同で確認できたのが「町田シティデンタルクリニック」「町田高校前歯科」「林歯科」「北村眼科」「竹内耳鼻咽喉科皮ふ科」「りゅう動物病院」「小西眼科」「あらいこどもアレルギークリニック」「川口内科クリニック」「青木病院」「中町整骨院」「やまざき歯科」etc.。この近辺で私自身がかつてお世話になったのは「ほづみ小児耳鼻咽喉科医院(ほづみ小児科整形外科医院)」だけでして、昭和の時代、亡父と私に町田市民病院の整形外科勤務だった院長先生がよくしてくださったこと、いまでも感謝しています。
住宅街を抜けて駅に近づいていく、という感じの場所なので、基本、閑静な住宅街。目立つ商業施設といえばコンビニエンスストア、スーパー(あと「ピザハット町田中町店」や「梅の花 町田店」もある)...いやいや、熱帯魚店の「トロピカルハウス」と額縁専門店の「プラハートオーツ」はずっと気になっているんだけれども、個人的に熱帯魚にも額縁にもご縁がなくて訪ねたことはなく。「理容わかば」の時計とサインポールもレガシーな雰囲気で...そうだ、この近辺に長く和菓子店があった記憶があるのだけれども、いまはなくて名前も思い出せない。
でっ、閑静、とは書きましたが、メインの通り以外も交通量が少なくないんですよね。こどもの通学時間帯には通行止めにしている箇所もあったりして。理由は町田街道や鎌倉街道の混雑を回避するための抜け道にされているからだろうな、たぶん。実際、私も金森方面に用があるときは「女子学生会館ブリックス」のところで第二中学校へと向かう道を選んじゃうし(道が細くてすれ違いが恐い)。なんと言いますか...シバヒロのところに出る、「中町交番前」の6本の道が交わった信号機!! 「共同住宅」のほうからきてこの信号を待たされる絶望感は、私が町田で暮らすことの〝悲しみ〟の2割くらいを占めているかもしれない。もう何十年もまえから「4、5台しかいけなかったじゃん!」状態で、おそらく今後も一生ここで「通せんぼ」を食らい続け生きていく(涙)。
そうだ、ただいま外装メンテナンス中みたいな「女子学生会館ブリックス」。こちらが開館した1988年ごろ、入居者募集のチラシが拙宅のポストにも投函されていたことを覚えています。なんか、ものすごく昭和のアイドル然とした女子が微笑むイメージ写真が使用されていまして、当時20代だった私は「こんな子たちがいつものバスに大挙して乗るようになったらえらいこっちゃ!」とも思ったのですが、ほどなく町田の実家から四半世紀ほど離れてしまったので、一瞬頭に思い浮かんだ「女学生だらけの神奈中バス車内」というのは、見たことなかったなぁ(というか、学生さんはむかしもいまもバス使わないのかも)。