文教地区・淵野辺にあるちょっと変わった食堂。入りやすそうでいて、鍵がかかっていてトビラが開かない。なぜ、こんな場所が誕生したか?「まちの不動産屋さん」2代目が、ここを舞台に巻き起こる人間模様を語る連載コラム。
淵野辺で創業46年となる不動産屋の二代目、池田峰です。日本で一番「味どう?」と聞いている不動産屋です。当社、東郊住宅社が運営する入居者向け食堂「トーコーキッチン」にまつわるエトセトラをお話しさせていただきます。
ある日、こんなつぶやきを見つけました。
珍百景登録を祝福してくれている様子がひしひしと伝わってきます。
彼女はいったいどうしたというのでしょうか?
わたしたち、東郊住宅社はどこのまちにもあるような、小さな小さな不動産屋です。ただちょっと違うのは、入居者に向けた食堂を自分たちで運営しているのです。
でも、それは不動産屋の副業としての食堂ではありません。東郊住宅社が淵野辺エリアで管理する1,800室の賃貸物件にお住まいのみなさんに、利便性と健康的な食生活を毎日提供するための食堂なのです。入居者サービスの一環で、朝ごはんは100円、昼・夜ごはんは500円です。
そこで、先ほどのつぶやきです。
2022年1月23日。テレビ朝日系列「ナニコレ珍百景」という番組でトーコーキッチンが紹介されました。当日、番組を観ていた彼女。トーコーキッチンを知ってくれているのでしょう。番組ゲストが全員一意で珍百景認定を下し、トーコーキッチンの珍百景登録が確定したと同時に喜びを分かち合いたい願望がついに極限まで達し、そして、世の中に向けてつぶやいたのです。
それを見つけたボクは、すぐさま彼女にこう返信しました。
「ありがとうございます。これからも精進します!」
日曜日の夜7時というゴールデンタイムの人気番組ということもあり、本当にたくさんの反響がありました。「テレビを見て連絡しました」という物件問い合わせなどは、放送直後、いや、放送中から寄せられていました。オーナーのみなさん、入居者のみなさんとそのご家族、数年前に退去した入居者のご家族、取引関係業者のみなさんなどなど、びっくりするほど多くの方々から「おめでとう!」のご連絡をいただきました。
「入居者にならないと入れない、世にも珍しく、ナニコレ的存在の食堂が淵野辺にはある」という視聴者投稿により、今回の取材は行われました。その話を番組スタッフの方から教えてもらい、心からうれしく思いました。
そして、今回の放送を自分事のように喜んでくれたみなさんの様子から、当社の不動産屋としての在り方を応援してくださっていることがひしひしと伝わってきたことが、これまた大変うれしく、わたしたちの励みになっています。
ところで、今現在が東郊住宅社の管理物件でないならば、その物件は未来永劫に東郊住宅社の管理物件にはなることはないのでしょうか? やっぱりトーコーキッチンを自由に使えるようになるためには、東郊住宅社の管理物件に引っ越しをしなければならないのでしょうか?
答えは「ノー」です。
実は、テレビで紹介されたとき、わたしたちが想像もしていなかった反響があったのです。
でも、それはまた別のお話。