![林忠彦さんの写真集「小説のふるさと」(1957年)より](https://images.keizai.biz/machida_keizai/headline/1397616393_photo.jpg)
文芸世界を実写化する写真家の視線と歴史を紹介する企画展「文藝絶佳(ぶんげいぜっか)」が4月19日、町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4、TEL 042-739-3420)で開かれる。
文芸の世界を写真(映像)として表現する試みは、戦後の出版活動の活性化や週刊誌・グラフ雑誌の新興の中でスタート。戦前は小説作品を掲載するのみだった文芸誌が、作家の肖像や出版記念パーティーなどの写真をグラビアとして掲載。総合誌でも作家が人々の憧れの存在として取り上げられた。
「文士たちの肖像」で人気写真家となった林忠彦さん(1918~1990年)は、名作の舞台を旅しながら撮影した初の写真集「小説のふるさと」を1957(昭和32)年に発表。文芸作品のイメージを実写化する試みに先鞭(せんべん)をつけた。
同展では林さんをはじめ、彼に師事した齋藤康一さん、林義勝さん、タカオカ邦彦さんの4人の写真80点で、文芸世界を実写化する写真家たちの視線とその歴史的変遷を紹介。「文芸作品や被写体に感化されながらも独自の視点・構図で切り取られた作品は、私たちに新たな発見や驚きを与えてくれるはず」(同館学芸員)。
関連イベントとして、タレント山田雅人さんの朗読会(4月20日)、元・アサヒカメラ編集長の岡井耀毅さんと写真家の齋藤康一さんの対談(5月31日)などを予定する。
開催時間は10時~17時(金曜は20時まで)。月曜・第2木曜休館。入場無料。関連イベントの一部は事前申し込みが必要。6月29日まで。