町田の古民家ギャラリー「可喜庵」(町田市能ヶ谷町)で6月27日より、桶谷寧さんの陶芸展が開催される。
桶谷さんは中国の南宋時代(12~13世紀)に作られたやきもの「曜変天目(ようへんてんもく)」を新たによみがえらせた陶芸家。曜変天目の価値の高さは世界の陶磁器の歴史の中でもトップクラスで、現存する作品は世界に3点。いずれも日本にあって国宝に指定されている。同展を企画した「かたち21」代表の笹山央さんは、「古来から幾多の陶芸家がその再現に挑戦してきたが、桶谷さんを除いて成功例はみられない」と説明する。
桶谷さんは1968年京都府生まれで、1992年から家業の天目を手がけた。数年前から焼成方法や燃料によって模様が浮かび上がるという仮説で実験を行い、数千に1個の割合で曜変天目を生み出す方法を得たという。
同展では曜変天目茶碗のほか、禾目天目茶碗、油滴天目茶碗など約30点を出品する。笹山さんは「桶谷さんによる曜変天目焼造の成功で、『陶芸のこれから』が新しい展開を迎えることになると思われる」と話す。会場では販売も行う。価格は、禾目天目茶碗、油滴天目茶碗が200,000円~400,000円前後、曜変天目茶碗は「問い合わせください」(笹山さん)。
開催時間は11時~17時(最終日は16時まで)。7月1日まで。今月29日には桶谷さんを招き、サロン「やきものの美しさについて」を開催する。サロンは事前申込み(かたち21、TEL 080-6775-4892)が必要。会費は2,000円。