全国クラブチームサッカー選手権神奈川大会の決勝が7月26日、保土ヶ谷公園サッカー場(横浜市保土ヶ谷区)で行われ、S.C.相模原がYSCCセカンドを3対1で破り、チーム発足5カ月あまりで初優勝を手にした。
S.C.相模原は今年2月の創立で、株式会社スポーツクラブ相模原(相模原市田名)が運営する。同社社長の望月重良さんは元日本代表Jリーガー。1996年に名古屋グランパスに入団し、京都サンガ、ヴィッセル神戸、ジェフユナイテッド市原などを経て昨年引退。日本代表として国際Aマッチに14試合出場した。
チーム発足のきっかけは昨年6月、望月さんが食事に訪れた相模原の小料理屋の店主から「相模原でサッカーチームの監督になってほしい」と頼まれたこと。その後、地元サッカーファンからの「相模原でJリーグを目指すようなサッカーチームをつくりたい」という熱意に応え、「自分が理想とするような、本当に強いサッカーチームをゼロからつくりあげてみたい」(望月さん)と会社設立を決意した。
同チームは現在、神奈川県3部リーグに所属し、公式戦では全勝を続ける。チーム専用の練習グランドはなく、市内小中学校の校庭で週3回、夜間練習して週末の試合に臨む。
所属選手は23人。水野和樹監督兼選手(元JFLアルテ高崎)、坂井洋平選手(元横浜FC)、鈴木健太選手(元ヴァンフォーレ甲府)の3人とプロ契約をする。坂井選手と鈴木選手は、2003年静岡国体少年男子で19年ぶりに優勝した神奈川県選抜メンバー。チームメートには北京オリンピック日本代表に選ばれた本田拓也選手(清水エスパルス)がいる。
全国クラブチームサッカー選手権県大会では、上部リーグに所属するチームを相手に勝ち抜き、チーム発足5カ月で結果をみせた。スポーツクラブ相模原の長瀬昭仁さんは「今年度の目標は神奈川県ナンバーワン」と意気込む。長瀬さんはベースボールマガジン社の元編集者で、週刊サッカーマガジンの編集にも関わった経験を持つ。「強いチームをつくるには、Jリーグ経験のある強い選手に加入してもらうこともひとつの方法。そのためにはお金がかかるし、結果を残さないとチーム運営が続けられない」と身を引き締める。
遠征試合では無料バスを運行し、バス内でチームグッズのTシャツ(2,000円)やレプリカユニホーム(12,000円)を販売する。「競技場でグッズ販売ができないための策。規定により入場料が徴収できないので、運営費用を捻出するための工夫が必要。約50の会社と個人に後援会に入っていただいているが、1,000社くらいまで伸ばしたい」(長瀬さん)。
「Jリーグに上がる道のりはとても険しい。ここ2、3年は勝負の年。ひとつずつ結果を出して、後援者、サポーターの裾野を広げていきたい。FC町田ゼルビアとの『境川マッチ』も実現できれば」(同)と期待する。同チームは、神奈川県代表として9月20日から山梨県で開催される全国クラブチームサッカー選手権関東大会に出場する。
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