町田市の「三輪緑地」内に4月20日、三輪の森ビジターセンター(町田市三輪町)がオープンした。緑地保全活動をスタートさせて14年、「願いがかなった」と地元住民らは施設完成を喜んだ。
三輪緑地は、横浜市との市境に位置する21.1ヘクタールの都市計画緑地。隣接する横浜市の「寺家ふるさと村」や「こどもの国」、周辺の農地や社寺林と一体になって広域な緑地帯を形成し、散策や自然観察に多くの人が訪れている。
三輪の森ビジターセンター開設の発端は、都市計画緑地に隣接する市街化調整区域で起きた「ペット霊園」開発。住民は2004年、緑地を保全するために反対運動を展開。市議会への請願、事業者との裁判を経て、ついに町田市が事業用地を買収。都市計画緑地に追加した。
同センターはペット霊園の建物を、散策拠点として改装。黒い外壁を周辺の自然景観に馴染むアースカラーに塗り替え、郷土資料の展示室、情報コーナー、休憩室、トイレ、靴洗い場などを設ける。建築面積は約385平方メートル。軽量鉄骨造の2階建て。事業費は約1億380万円。
同施設の落成式には、町田市長や市議、地元住民ら約80人が出席。石阪丈一市長は「ここを拠点に里山を楽しんでほしい。みんなに長く使ってもらいたい」と挨拶。地元自治会の副会長を務める笠原篤子さんは「住民運動として戦ってきたことが、形になってかなえられた。支援をしていただいた多くの方に感謝している」と喜んだ。
開館時間は9時~16時。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌火曜休館)。入場無料。