町田市民文学館ことばらんど(町田市原町田4)で現在、企画展「童話とわらべ唄」が開かれている。
北原白秋により確立された童謡が、誕生から100年を迎えることを記念し、白秋の作品世界と童謡に込めた願い、白秋の思いを引き継いでわらべ唄の研究をライフワークとした詩人・藪田義雄の軌跡をたどる同展。
第一次世界大戦による経済的繁栄と近代的市民階層の誕生を背景として1918(大正7)年に創刊された児童向け雑誌「赤い鳥」。白秋は創刊から同誌で作品を発表し、わらべ唄の伝統を踏まえながら、芸術性の高い、子どものための創作歌謡としての「童謡」を確立。「からたちの花」や「この道」など今でも歌われる作品を数多く残した。
藪田は、白秋の遺志を継いでわらべ唄研究に従事。1969(昭和44)年に町田市に転居し、「評伝 北原白秋」(1973)、「日本伝承童謡集成」復刻新版(1975)を刊行したほか、成瀬台小学校と旧忠生第7小学校の校歌を作詞した。
会場では、「赤い鳥」復刻本、白秋の草稿、関連書籍などを展示解説するほか、ソプラノ國井道子さんらが歌う童謡をBGMで流す。「師弟ふたりが大切にした日本語の芳醇(ほうじゅん)な世界、調べの美しさに触れていただければ」(企画担当者)。
開催時間は10時~17時。月曜休館。入場無料。関連企画も予定する。6月17日まで。