町田市立博物館(町田市本町田)で現在、最後の展覧会「工芸美術の名品」展が開かれている。展覧会の初日と2日目は計2400人が来館し、入場待ちの行列ができた。
展覧会は、同博物館のコレクション約1万4000点から、コレクションのあゆみをたどる名品35点、コレクションの特徴であるガラスと陶磁器で「赤と青」に着目して選んだ古今東西の作品100点の計135点を展示。近年所蔵した世界初のガラス技法書「ラルテ・ヴェトラリア(L'Arte Vetraria)」は初公開となる。
同博物館は1973(昭和48)年、縄文時代と弥生時代の住居群が発見されたことを機に郷土資料館として開館。その後、工芸美術品なども展示することになり、1976(昭和51)年、町田市立博物館へ改称した。ガラス器の収集に特徴がある。
建物は近代日本建築運動のリーダーのひとり山口文象氏が晩年に設計。中庭の池が廃止され、コンクリート打ち放しの壁が白く塗られるなどの改修をされたが、山口氏が手掛けた展示施設としては唯一現存するという。
展覧会終了後は収集品の整理などを行い、ガラスや陶磁器などの工芸美術のコレクションは2024年開館予定の(仮称)町田市立国際工芸美術館に移すという。博物館の敷地は借地で、建物の存廃は未定。
期間中、5代館長の伊藤嘉章さん、4代館長の田邉三郎助さん、それぞれの講演会、コンサート、伝統文化体験イベントなど様々な企画を予定する。
開館時間は9時~16時30分。月曜休館(ただし4月29日~5月6日は開館し、5月7日休館)。会期中一部展示替えを行なう。入場無料。