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アーティストの「おうち時間」 作品展 コロナ禍と偶然連動 町田市立国際版画美術館

アンリ・マティス《眠るオダリスク》、リトグラフ、1929年、町田市立国際版画美術館蔵

アンリ・マティス《眠るオダリスク》、リトグラフ、1929年、町田市立国際版画美術館蔵

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 町田市立国際版画美術館(町田市原町田4)で現在、作品展「アーティストたちの室内画 ―見慣れない日常」が開かれている。

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 プライベートな部屋をテーマに据えた絵画のジャンル「室内画」に描かれたのは、その時代を生きた人々の何気ない日常。いつも目にしている光景も、アーティストにとっては尽きることがない着想源だった。

 同展では、ナビ派、シュルレアリスム、ポップ・アートなどの版画およそ140点を通じて、18世紀~20世紀の室内画の歴史をたどる。

 出品作家は、アンリ・マティス、モーリス・ドニ、パブロ・ピカソ、マックス・エルンスト、長谷川潔、サルバドール・ダリ、ディヴィッド・ホックニーなど。

 作品には、様々な社会階層の人々が集まるパリのアパルトマン、社会のめまぐるしい変化から逃れる隠れ家、芸術的探求に没頭する実験室、非日常を予感させる密室などが描かれている。

 担当学芸員は「当展の企画は新型コロナウイルスの流行以前に作られた。その後、思いがけず『おうちでアート』『おうち時間』などの言葉が生まれた。部屋を描いたというだけでなく、『部屋にこもって制作するアーティスト』『部屋にいながらにして楽しめるアート』といった見方も加えて内容を膨らませた」と説明する。

 「メインビジュアルに使ったコールフィールド作品の中には、『エレーヌよ、ぼくは部屋で落ち着かない』『閉じこもってばかりいたら病気になってしまう』といった今聞くと含蓄のあるタイトルの作品もある」とも。

 関連イベントとして、天野知香・お茶の水女子大学教授の記念講演会「『密』な世界―モダン・アートにおける室内」(3月20日14時~)、サックス四重奏「ハッピー☆マッキーSAXカルテット」の室内楽コンサート(3月28日13時30分~)などを予定する。

 「部屋が色々な意味を持つようになった今、展覧会を通じて室内というテーマの多様性を楽しんでもらえたら」(同学芸員)

 開催時間は10時~17時(土曜・日曜は17時30分)。月曜休館。観覧料は一般=800円、高校・大学生=400円、中学生以下は無料。関連イベントは当日、整理券を配布する。4月11日まで。

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