相模原市は4月27日、行財政構造改革プランを決定した。廃止の対象に挙がっていた複合スポーツ施設「銀河アリーナ」(相模原市中央区弥栄3)は、2023年度内までに存続可能性を含めて検討することになった。
銀河アリーナは、1991(平成3)年開業。30年が経過し、設備が老朽化したことから2018年、プールを廃止するとともにスケートリンクの冷却機を仮設型に置き換えて10月~5月に営業。並行して、淵野辺公園または公園拡張区域内に新しい通年利用のアイススケート場を整備し、2022年度に供用開始する構想を立てていた。
その後、市は財政状況が厳しさを増しているとして、行財政構造改革プラン案を1月に公表。2027年度までに累計約816億円の歳出超過を生じ、「いずれは真に必要な行政サービスの提供すら困難」となる可能性を示し、銀河アリーナを含む計27の公共施設について廃止も含めて検討するとともに、美術館整備や淵野辺公園拡張区域等整備、幹線快速バスシステム導入などの既存事業を中断することを盛り込んだ。
プラン案の中で銀河アリーナは、「設備が老朽化し、施設の維持に多額の経費がかかるため、公共サービスとしての必要性等を踏まえ、公の施設としての廃止を含めた検討を行う」こととされ、改革プランの期間(2023年度)内において、市の負担を伴う大規模な改修や更新をしないと位置づけられた。
スケートリンクの新設構想から廃止検討という急展開に、相模原市スケート協会は関係団体などと銀河アリーナ存続を市長や市議会に要望。決定した行財政構造改革プランには、市民意向調査の実施や、既存建物を活用した民間による施設運営など維持管理費用の掛からない手法、クラウドファンディングの活用、利用料金の見直しなどによる財源確保の可能性について調査・検討することが新たに盛り込まれた。
市スケート協会の阿部山勝弘理事長は「我々はスケートリンクの存続を熱望しているが、市の温度感はまだ分からない。存続を求めるネット上のキャンペーン活動に加えて紙の署名を集めて市に提出する。さらに専門家の協力を得て、スケートリンクを存続させる複数プランを提案したい」と話す。「建物自体は約45年の耐久性があると聞いている。この建物は築30年。その期間をうまく使い、既存建物を利用しながら、他団体と協力して新しい施設をつくるイメージを持っている」とも。